表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
進化転生 転生したら召喚獣ウルフィでした ~召喚獣が召喚の力を執行する~  作者: 紫電のチュウニー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/159

箱の中身はそっと閉じたい

「おう! おめえたち! 俺たちゃ……」


 箱をぱたりと閉じるニャトル。

 何だろうー? 中身何ー? 

 早く開けろ! 


「おいニャトル。そんなに良いものが入ってたのか?」

「なんか見間違いだったニャ。疲れてるニャ」

「ちょっと早くしなさいよ! あの駄目魔族一人で帰っちゃうでしょ!」

「分かったニャ。サルサが開けるといいニャ」

「別に誰が開けても一緒でしょ。全く」


 渋々ニャトルの横に向かい、箱を開けるサルサさん。

 一体何してるんだ、俺たちは。


「さぁ景気良く開けて欲しいニャ!」

「はいはいおーぷんざとれじゃー」

「棒読み!?」

「おう! おめえたち! 俺たちゃ……」

「……」


 無言で箱を閉じるサルサさん。

 だから、何してるんですか? 


「こいつら、何処に行ったのかと思えば……箱毎丸焼きにしましょう」

「ちぇい! ちょっと待てぃ!」

「兄貴ー! 箱からびっくり大作戦成功っしたぁー!」


 ……ぼこっと箱が開いて出てきたのは、さっきのチョコボール共でした。

 こいつらがまさかのお宝? 冗談じゃないぞ! 


「いーやーー! 私の出番だわ! いーやーー!」

「うん、正しい使い方です。良く出来ましたあれは君にやろう。他の宝はないのか?」

「うおお、ばっきゃろい! 放り投げる奴が……」

「はいはいほいほいーーはいほいほいーー」


 近づいてチョコボールを放り捨てると、中身を漁ります。

 ここ惚れワンワンの気持ちが俺には分かる! 


「なんか雑多な物がいっぱい入ってますけど、何なんですかこの箱?」

「ばっきゃろーめい! そりゃおめえ、俺たちの家だぞ!」

「宝箱じゃないの? じゃあ燃やして帰りましょう」

「戦利品位あるはずニャ! そうに違いないニャ!」

「仕方ねえ。確かにおめえらに負けたのは俺たちだ。いいだろう、こいつを持っていけ!」

「兄貴ぃー! そいつは家宝の!」

「何これ。私いらないわ」

「ホノミィもいらなーい」

「ニャトルもいらんニャ」

「んー? どれどれ、このシロンが依頼品を鑑定しよう……」


 ちゃんたららん、ちゃんちゃんちゃん。

 イヨーー! 

 という音楽と共にチョコボールたちから渡されたものを見てみます。

 小さいきんちゃく袋のようなものです。何だろうこれ? 

 タダノゴミ? って奴でしょうか。

 

「そいつぁーその袋に入る大きさなら、重さを気にせず持ち運べる一品でい!」

「何ですって! 有難うございますシロンがもらい受けました!」

「ニャニャ! タダノゴミじゃ無かったニャ? ずるいニャ!」

「ふっふっふ装備したぞ!これは俺のだーい!」

「ちょっと私に寄越しなさい! 私の方が上手く使えるんだから!」

「ホノミィには大きくて持てないわ……私がその中に入ったらどうなるのかしら」

「おお、ジャストサイズじゃありませんか! 三つは無重力で持ち歩けるなんて神アイテ

ムに違いない。売れば幾らになるのかなー?」

「ちなみに一度装備すると外れねえから気を付けてな」

「はい?」

「……呪われてるのね。良かったじゃないシロン、似合ってるわよ、それ」

「セーフニャ。ニャトルはノータッチなタダノゴミで良かったニャ」

「おい! 呪い装備なんて聞いて無いぞ! こうなったら燃やしてやる! 炎を纏う!」


 しかしどういうわけかこの布袋野郎は燃えやがりません。一体どうなってるの? 

 なんてことでしょう。俺の新装備は呪い装備となりました。

 鎖帷子に呪いの布袋装備なんて、職業が間違いなく遊び人です。

 どうしよう、このままじゃ賢者コース一直線だよ! 

 

「はぁ……他に何かめぼしいものないわけ?」

「その壁にある小さな箱とか!」

「単なる壁の絵でしょ、まったくもう……え?」


 ホノミィが近づいてそれを触ってみると……何とポロっと壁から出て来るじゃありませ

んか! 

 こっちが本命か! と思ったのですが、ポロっと出て来て落ちた衝撃がヤバイ。

 ズシーンという音と共に地面に転がる小さなソレ。

 

「何コレ? いーやーー! 固そう。だからいーやー!」

「鍵穴が無いわね。これ宝箱なのかしら」

「もういいから持って帰るニャ。シロンの袋に詰めればいいニャ」

「そうね。早速試してみましょうよ。これなら上からスポッと……入ったわ」


 俺をつかんで袋に箱をねじ込みました。

 乱暴で物のような扱い……こんなもの持って帰ってどうするんだろ? 


「おいお前ら。そろそろ帰るぞ」

「ニャトルは進化したし大満足ニャ!」

「あのー、巨人のボルボパイセンはどうするのでしょうか」

「その猫が外に出れば勝手に出れるぞ。心配するな」

「あの巨人一体何しに連れて来られたのかしら……」

「単なる巻き添えですぅ……私も何もしてませんよぉ……」

「地雷はいっぱい敵を連れて来ただけニャ!」

「だってぇ……」

「つまり報酬はぼろい布袋一枚と意味不明の重い箱だけってわけね……ふぅーん」

「うう、俺たちの懐事情はいつになったら良くなるんでしょうね……」


 続くよ! 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ