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久しぶりのシャキーン!?

【シャキーン】


 おぉ!? 今のはレベルアップの音でありやがります。

 ついにレベルアップした? 


「いやったぁー! レベルアップしたよ!」

「何でお前が上がるニャ? ニャトルじゃないニャ?」

「くっ。勘違いさせやがって!」


 レベルアップしたのは俺らではありません。

 ローグの奴でした……。

 鍵開けってそんなに経験値が入るのでしょうか? 驚きです。


「四つも鍵開けて一個しかレベル上がってないのはどういうわけ? いーやー!」

「嫌って言われてもなぁ。上がっただけいいだろ! 俺なんて、俺なんてな……早く

レベル上げて違う進化形態になりたい」

「それはニャトルも一緒ニャ! せっかく今回活躍してレベルアップを図ろうとしたニャガ」

「ふむ。召喚獣たちよ。二人で召喚バトルを行えば、低いレベルならきっと上がるぞ」

「本当ですかクラマさん? それじゃニャトルとやり合うか……」

「ふん。シロンなんて返り討ちにしてやるニャ」

「でもここで戦ったら危ないサ。仕事を終えたらやるといいサ」

「ごもっともですカエサルさん。そいつらの様子はどうですか?」

「ぐったりしてるサ。ここまでどうやって連れて来られたサ?」


 首輪が外れた四人は今のところぴくりとも動かず宿屋の一室にまとめて寝かせてありま

す。

 そんなに大きな宿屋じゃないけど、俺たちが寝る予定の部屋とは別です。

 クラマさん曰く、全員貴族のようですが……シロンにはよくわかりません。

 確かにフィラデルフィアの町民とは違う恰好のようですね。

 うーん。貴族ならではの何かがあるのかなぁ? 

 しかし、貴族の子供を四人も助けたとなれば、これはきっと大手柄間違いなしだね! 


 ――その後食事を取った俺たちは、犯人と思しき四人の男たちについて話し合います。

 食事になると出て来るサルサさん……くっ。ぐっすり眠っていたな! 

 まず特徴は傷頭! ……ではなく紫の手ぬぐいです。

 全員装着しています。

 これにはよく見たら……変な文字が書いてありました。


「これ、魔術用の文字だわ。えーっと……不快の儀? 何かしら」

「不快そうな連中が身に着けるマル秘アイテムですね。間違いありません」

「確かに不快そうな連中だけど、さすがに違うでしょ」

「う……いつもながら冷静な判断ですね、サルサさんは。何処かの悪い団体さん?」

「そうそう、一つクロネ族の者にいい条件を出して遣いを頼んだんじゃよ。彼らはこのま

まここで縛っておけば、捕縛しに来る者がおる。そこで事情を吐くじゃろう。それと、こ

こへ人を捨てにくる集団に関しては……正直難しいのう。面倒を見切れなくなったもの

を、優しいクロネ族が面倒見てくれている。それならば国として、支援をしたい気持ちは

ある。クロネ族が学校へ遊びに来ておるのは知っておる。もっと大々的に学校へ招待する

かのう」

「おじい様。私もそれには賛成です。そしてそれはシロネ族も同様でしょう?」

「ああ、そうじゃな……」

「あのー。俺シロネ族見てないんですけど、どんな方々なんですか?」

「ええっと……サルサたちが見たら驚いて腰を抜かしてしまうかもしれないから

止めておこうかな……彼らはどうにも魔獣を含む獣の類が苦手のようでね。

それで顔を出さなかったのかもしれない」

「ちょっと! シロンとニャトルのせいじゃないの! 私たちが迷ったのって!」

「う……そんな設定の奴らいるなら、最初から教えてくださいよー!」

「ごめんね。私たちも知らなかったんだ。一緒に行けばよかったね……」


 結局そんな理由でシロネ族には会えなかったのかぁ……。

 でも、今回のことの顛末(てんまつ)がわかっただけでよしとしないと。


「シロネ族の方の悪者は……いや、俺たちの目的は情報収集でしたね。

これだけ成果を出せば十分でしょうか?」

「うん。父上も喜んでくれると思うよ。それに貴族四人も助け出せたのは大き

いかもしれない。内容は……あまり良くないかもしれないけどね」

「ふうむ。辺境伯としては見過ごしていい案件ではあるまい。わしも動くかの」

「よし。それなら俺たちは学校へ入学出来るんですね!? よーし、これで色々

覚えて最強召喚獣ウルフィとして俺の覇道が……クックック」

「この子たちはどうするサ?」

「攫われたのか攫わせたのかがわからんからのう。一度こちらで預かろうと思うて

おる」


 ふうむ確かに……もし攫わせたのが戻って来たら、貴族はどんなことをするかわ

かったものではありません。

 ここは慎重にいくべきでしょう! 

 

「おいシロンだったよな。お前にしばらくついて行くことにしたぜ。ウキャキャ」

「ええ!? クロマさんは宿屋の人を見てあげているのでは?」

「あっちはコゲクロがしばらく入るからよ。クロマはお前といると楽しいからな。

一緒に遊んでやる」

「でも俺、明るいところに行きますよ?」

「大丈夫だ。影にいるから。殆ど出て来ないでお前の面白い様子を見てる。たまに

なら手伝ってやるぜ」

「う……頼もしいけど怖いよぉ!」

「うきゃきゃ。その表情がクロネ族にとって何よりの楽しみだぜ」

「ちょっとぉ! ホノミィちゃんも置いてかないでよね! こんなとこにおいて

いかれたら生きていけない! 私はあんたの頭の上で生活するんだから!」

「ローグの分際で俺の頭の上で生活するだと!?」

「分際って何よ! こうしてやるんだから! シュボッ」

「ちょ、熱! わかったからやめろぉー!」




「変なの増えたニャ」

「行く先々で変なのが増える呪いがかかってるようだ……」

「何時になったらご主人の出番あるニャ?」

「バカめ。俺が本体ご主人は分体だ!」

「逆ニャ! 召喚士が本体ニャ!」

「言うてもなー。ご主人って」

「存在感あるのに存在感薄いニャ……」


 二人でため息をつくのでした。


 続くよ! 

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