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素晴らしい一日

作者: 鉄霧宙飛
掲載日:2020/08/15

 今日はやけに太陽が眩しい。散歩をしながら空を見て、目を細める。

 歩き続ける事はそれだけなら息をするより簡単である。コンクリートの上に立ち、足を前に出す。不明な人体の神秘により、バランスは自然に保たれる。今日は不思議と、そんな事を考えていた。

 景色を眺めてみる。照りつける光の苛烈さとは対象的に、太陽に照らされた木々草々の色彩はとても優しく、まるで『ひまわり』のそれである。

 そうしていると、住宅街に入ってきた。家というのは、自然と比べると情報量が多く、全ては見きれないが、そこから居住者の人となりを推測するのは中々楽しい物だ。

 そんな事をしていると、ふと足が止まった。ゆの字の暖簾に広めの駐車場。銭湯である。中に入り、番頭さんに手ぶらで入れるような物は売ってるか聞いてみる。

「ああ、売ってるよ。ちょっと割高になるがね」

 との事なので、丁度良いし入ってみた。適当に体を洗い、湯船に向かう。ここはゆるめ、熱め、薬湯に分かれているようだ。私は直ぐのぼせてしまうので、ぬるめに入る事にした。

 湯に足を踏み入れ、肩までつかる。全身を湯が包み込み、体温が高くなる。窓から入る太陽光が、さらさらと音を立てている様に感じた。

 途中でのぼせてきたので足だけつかる。何処を見るでも無く、ただ快適であった。

 外に出ると、家を出たときと同じように太陽光が我が肌を刺した。空を見る。空の三分のニ程度を埋め尽くす、真っ白な星がそこにあった。ニュースキャスターによると、アレはなんと月らしい。

 月は、もうすぐで地球に衝突する。少なくとも、日本列島は壊滅的な状態になるらしい。まあ、でも、良いかな。今日は散歩もできて、銭湯にも入れたから。

 俺はアスファルトの上に仰向けになり、足を組み頭の下に両手を入れ、目を閉じた。

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