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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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見習い商人ラックの講義

「さて、作戦会議を始めるぞ! 野郎共、準備はいいか!」


「お、おー」


「野郎じゃないけど、おー!」


あれから、特に問題もなく、カナの商人登録は終わった。


そして現在、一行はカナに連れられ、第1層のオープンカフェで、テーブルを囲んでいる。


ちなみに、昨日、デュエルが終わってから多少の小遣い稼ぎをしたので、ここの支払いはカナ持ちだ。


「んじゃ、ラック。まずは商人の基本的な情報について、教えてくれ」


本来なら商人の登録をする際に、窓口で聞くことだが、どうせ後でラックに聞くつもりだったので、わざわざ立って長話する必要もないと辞退したのだ。


カナに頼られるのが嬉しいのか、ラックは気合いの入った顔で頷き、口を開く。


「分かりましたっ! えーっと、まず商人の生産職を選んだ人には、【倉庫】という特別なアイテムストレージが与えられます。この【倉庫】に入れたものは、もう自分で使うことは出来ませんが、通常のストレージよりも多くの容量があって、料理系のアイテムなど、時間経過で劣化・消滅するアイテムも、安全に保管できるんです。ちなみに、【倉庫】の容量を増やしたい時は、お金を払って拡張するか、登録アイテムを廃棄して空きを作るしかありません。そして、この【倉庫】のキモは、自分以外の人にも中身が公開されていることです! 各アイテムには価格を設定する必要があり、その設定した価格に同意されれば、購入してもらえる仕組みです。設定価格は、いつでも変更可能で、一部のアイテムを非公開にしたり、特定の相手にだけ公開する、といった細かい設定も可能です」


ここで、ラックは喋り疲れたのか、飲み物で喉を潤していた。


それを待って、みのりんが質問を投げる。


「たしか、取引したい相手が目の前にいる場合は、直接交渉することも出来るんだよね?」


「はい、その場合は価格を値切ったり、別の商品とのセット販売を提案したり出来ますね。【倉庫】を利用した不特定多数を相手にする手法と、上手く使い分けることが、大儲けの近道と言われています」


「ふーん。で、ラックは今、どんな感じで商売してるんだ?」


「僕の戦闘職は剣士ですが、まだレベルが低いので、第1層でしか活動できません。そこで、商品用のアイテムを仕入れたら、それが値上がりするまで保管して、売買時期の差で儲けています。仕入れから販売まで時間がかかる上に、【倉庫】を圧迫するので、あまり効率が良いとは言えませんね」


「夏の終わりに、在庫処分で安売りされる夏服を買っといて、来年の春とか夏に売る、みたいな?」


「そんな感じです。まぁ、自分でモンスターを倒して、アイテムを確保する場合もありますけど」


「その方が儲かるよな? タダでアイテムが手に入る訳だし」


「それがそうでもなくて……。僕がゲット出来るランクのアイテムは、高く売れない事が多いんです。だから、他所で高品質なアイテムを買った方が、結果的に儲かったりします。たとえ、元手が掛かっても」


「でも、効率は悪いだろ? 自分でアイテムを回収できるなら、それが一番良い」


「そうですね。実際にベイドさんは、そうやって儲けてますし。それに彼は、第2層や第3層でも商売ができるので、更に幅が広がりますから」


「あー、たしか剣士の上位職とか言ってたな」


「はい、彼の戦闘職は騎士です。そして、別の階層で手に入れたアイテムを捌けるので、地域による価格や需要の差で儲けることも多いみたいですね。移動の手間があるとはいえ、仕入れから販売までのスパンが短いので、効率よく稼げますから」


「ただの水でも、砂漠で売れば大儲け。みたいな?」


「はい、そんな感じです。……さっきから例えが的確ですね、みのりんさん」


「いやぁ、それほどでも」


「実際、第2層はエリアの大半が砂漠だそうです。といっても、既に多くの商人が水を扱っているので、大して儲からないみたいですが」


「なるほどな。つまり、ラック。お前がやるべき事は剣士として強くなることだな! そんで、今よりも商売の幅を広げんだ!」


ここまでの話をまとめ、カナが最後に、そう締めくくった。

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