表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/80

ヒーローの条件

「はぁ……やっぱり、いないね」


ネネとの別行動を開始した翌朝、みのりんは、始まりの街の広場で一人、溜め息を吐いた。


その理由は、この広場の噴水前で待ち合わせした友人——カナの不在だ。


今日から、ようやく【ネバーランド】にログイン出来るということで、朝早くから遊ぼうと、向こうが時間を指定したにも関わらず。


待ち合わせ時間の10分前から、みのりんは、ここで待機しているが、カナの姿はどこにもない。


現実の姿から弄らないと言っていたので、見間違えているという事はないだろう。


そもそも、みのりんも弄っていないので、仮に向こうが変わっていても、こちらの姿は分かるはず。


待ち合わせのベタなミスとして、噴水の表と裏で、それぞれ待っていたとか、別の噴水と勘違いしていた、というパターンがあるが、今回それはない。


噴水は向こう側が分かるくらいの大きさだし、第1層は、この広場にしか噴水がないからだ。


そして、特定の条件を満たさないと、2層以上には上がれないため、カナが立ち入るのは不可能。


というか、全てのプレイヤーが最初に訪れる場所なのだから、間違えようがないだろう。


「ってことは、多分、来るのが早すぎたせいで待ちきれなくて、一人で歩き回ってるな~」


そして、何かに夢中で時間を確認していない。


カナと待ち合わせした時の、いつものパターンだ。


カナは時間にルーズなので、大抵は早すぎるか遅すぎるかの二択だ。


遅すぎる場合は、何か興味を惹かれるものがあって寄り道し、遅刻となる。


そして、早すぎる場合も、暇をもて余して一人で歩き回ってしまうので、結果的に遅刻となる。


まぁ、みのりんも好奇心が強いタイプなので、気持ちは分かる。


とはいえ、もう少し協調性を身につけて欲しいものだ。


予定が狂うのを嫌う、もう一人の友人などは口酸っぱくカナを注意するので、よく衝突している。


「今日は、まだシオンちゃんが来られないから、その心配はないけど、さてさて、どこに行ったのやら」


こういう時、カナは恐ろしいほどトラブルに巻き込まれる。


自分からトラブルを起こすことは(待ち合わせ以外)滅多にないものの、カナはトラブルの神様に愛されているのだ。


特に、ヤンチャな人に目を付けられやすく、売られたケンカは必ず買うため、騒ぎが大きくなりやすい。


だが、逆に言えば、騒ぎが起きていれば、そこにカナがいる可能性は高いということ。


みのりんは、目に見える景色はもちろん、聞こえてくる音にも意識を集中して、街の広場を飛び出した。


…………。


……………………。


………………………………。


「……アレかな?」


それから、しばらく【空中ジャンプ】を併用して、街を駆け回っていると、中央広場とは別の広場で、ようやくカナの姿を発見した。


ただし——、


「なっ……!! んだぁ、このガキッ!?」


「お頭! コイツ、化けもんですぜ!?」


「俺達じゃあ、押さえ切れやせん!」


「情けねぇこと言ってんじゃねぇ! こんなガキ一匹に逃げ腰になったら、猟兵団【イェーガー】の名が廃るってもんだ!」


明らかに堅気ではなさそうな連中に襲われていたが。


「ハッハァッ! 【イェーガー】かぁ! 兄ちゃん達、随分とカッコいい名前を名乗ってんなぁ、おい! けど、ちぃっとばかし、名前負けしすぎなんじゃねーの!? こんなにプリチーでラヴリーな俺様が1人で相手できちまうんだからさぁ!」


そう言ってカナが振るう武器は、己の拳。


そう、ただの拳である。


スキルを使うどころか、グローブすら装備していない、無手の型。


カナは、その身一つで、100人を越える荒くれ共を翻弄していた。


「うわっちゃ~。予想通り——いや、予想以上だね! いったい何があったら、こんなことに?」


「あ、あの! あなたは、あの方の仲間でしょうか!?」


カナの乱闘を呆れながら眺めていた、みのりんの元に、眼鏡をかけた真面目そうな少年が寄ってくる。


少年は、冒険者のように動きやすい格好ではなく、仕立ての良い服を着ていた。


「えっと、あなたは?」


「あっ、名乗りもせずに失礼しました! 僕はラッカードと申します! 気軽にラックと、お呼びください! 僕は商人として各地を巡っているのですが、先ほど彼らに因縁を付けられてしまい、困っていた所を、あの方に助けて頂いたんです! あの、もし、あの方の仲間でなかったとしても、どうか力を貸して頂けませんか!?」


必死に頼み込んでくるラックに、みのりんは、どう説明したものか、と少し悩む。


「うーん、カナは友達だし、助けるのは良いんだけど……」


「あっ、もちろん、お礼は致しますので!」


「あー、いや、そういう事じゃなくてね? ほら、カナちゃん、楽しそうだからさ」


「……ほへっ?」


意外な回答だったのだろう。


ラックは間抜けな声を漏らし、呆然としている。


「カナちゃん、人助けとか大好きだから。【理不尽に負けないこと】【理不尽に負けそうな人を助けること】それが、ヒーローの条件だって、いつも言ってるし。とあるゲームのヒロインの受け売り、らしいんだけどね? それで今って、まさに、そんな状況でしょ? だから、手を出すのは、どうかな~って」


「そんな悠長なぁ……」 


「まっ、本当に危なくなったら助けるけどさ。取り敢えず様子を見ようよ。それに……」


「……それに?」


「カナちゃんが、この手のゲームで負けるとこなんて、見たことないんだよね」


カナに対する絶対的な信頼を視線に込めて、戦場に送る、みのりん。


それに釣られるように、ラックもカナの方へ顔を向ける。


それは、ちょうどカナのアッパーが敵の顎を打ち抜いた瞬間の事だった。


—————————————————————


Name:カナ

Job:拳闘士

Level:1


HP 100/100

MP 100/100

攻撃力 10

耐久力 10

技術力 10

機動力 10

魔法力 10

運命力 10


☆獲得スキル

なし


☆獲得称号

なし

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ