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龍鱗と暗黒騎士  作者: シライ トモリ
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王宮魔法師団 -2-

 なんと、グラード団長直々に王宮魔法師団本部内を案内してもらうことになった。


 王宮魔法師団には魔法部隊部門、魔道具研究部門、魔法研究部門、結界管理部門、と大きく分けて4つの部門がある。


 ―― 塔の二階が魔法部隊部門。魔法部隊部門は他の部門とは違い主に危険が伴う部門だ。


 魔法部隊部門には第一部隊、第二部隊があり、魔物や盗賊の討伐などに騎士団と共に出動したり、時には単独で出動することもある。


 第一部隊は後方からの魔法攻撃を担当していて、第二部隊は前衛と後衛に分かれて第一部隊と騎士団の防御魔法、攻撃の強化魔法、回復魔法などの支援魔法を担当している。


 どちらの部隊も魔法の精度を上げるために毎日精神と魔法の鍛錬をしている。



 ―― 塔の三階、四階にあるのが魔道具研究部門。魔道具の開発部と、英雄がいた時代の遺物の解析などをする解析部がある。


 俺が持ってきた魔石はここの解析部に解析してもらうことになっている。



 ―― 塔の五階にあるのが魔法研究部門。古代魔法の研究と魔物の使う魔法の研究、魔法が使われた場所での解析をしている。


 今回のナイアドの森での調査にはこの魔法研究部門からも数人に協力をしてもらっていた。


 そしてこの部門では個人の魔力量の測定をしてもらうことも出来る。マンガの通りなら俺の魔力量は多い方に入るはずなんだけど。



 ―― 塔の六階にあるのが結界管理部門。王宮の結界を張っている部門で常に結界の管理をしていて、わずかでも歪み、ヒビ、異常が発生した際に直ぐに対応できるようになっている。




 魔法部隊部門と結界管理部門は危険性やセキュリティの関係で残念ながら今回は見学できないが、魔道具研究部門と魔法研究部門の見学をさせてもらえるだけでも有難いし、すごく楽しみだ。


 まずは魔道具研究部門の解析部を少し見学させてもらう。扉を開けると応接室のようになっていて、その奥には研究室が3つ並んでいた。

 そしてそれぞれの扉には研究班名と研究内容が貼ってある。


 第二研究室の扉には魔石解析と書いてあり、俺が持って来た魔石の解析中だった。入口の魔道具で中の研究員と連絡を取り入れてもらう。


 大きなテーブルの上に結界が張られていてその中に魔石が入っていた。魔石を解析中に魔法が発動して研究室が吹っ飛ぶなんてことのないように結界を張る必要があるらしい。なるほど…。


 結界は内側からの魔法は通さず外からの魔法は通せるようになっていて、いろいろな角度から魔石を解析することができる。


 この結界も研究員が使っている魔法も相当高度な技術を要する魔法なのだということは俺でもわかった。王宮魔法師団すごいな。


 テーブルの手元にはモニターがあって、結界の中の物をいろいろな角度から拡大して見ることが出来る。


 解析作業を見学させてもらえることになったのでモニターで魔石をじっと見ているとヒビの奥に何か見えた気がした。


 この魔石、拡大してよく見てみると表面に何か模様が浮かんでいる。

 模様も気になるけれど見たところでわからないのでヒビの部分を拡大してみるとやはり中に何かあるように見える。ただ、ヒビの範囲が小さいのでよく見えない。


 魔石の素材や構築魔法など細かく調べてみない事には石を刺激できないとのことで、今はヒビを広げるとか割るとかはできないらしい。


 X線的な感じで中を見る魔法はあるので外側を一通り調べたら次にその方法で中を確認するのだと順序の説明を受けた。その様子も後で見せてもらう約束をして開発部に移動する。


 開発部の部屋は一部が吹き抜けの二階建て構造になっていた。開発した魔道具の簡単な実験も出来るように上の階の床を取り除き吹き抜けにしたらしい。


 二階部分は倉庫と資料室、研究員の仮眠室で部屋の中の階段から行けるようになっていた。


 魔道具であふれる部屋とかファンタジーのゲームやマンガの世界っぽくて、想像しただけでわくわくする。


 今開発中の魔道具は快適に眠れる寝具だ。

 枕とマットレスは体に合わせた硬さに自動調整してくれて、掛け布団は季節関係なく常に快適に眠れるように温度調整をしてくれる優れものなのだという。


 他にはどんな硬さの物もすっと切れる包丁やら、風の抵抗を受けない傘なども開発中だという。


 身近な生活道具が多いな、と思っていたら魔物除けの装置といういかにもな異世界らしいものもあった。

 従来の装置はやや大きくて場所をとるので今は小型の物を開発中らしい。


 魔物除けの装置は街の外に出る時に荷馬車などに設置するものだ。

 近くに魔物がいると反応して知らせてくれ、人間には聞こえない魔物の嫌う音や魔物の嫌いな花の香りを出して魔物を近づけないようにしてくれる。


 商人や旅人の必需品なのだ。

 だからといって絶対安全とはいえないので護衛も雇うのが一般的らしい。


 魔物が現れたら結界も張ってくれたら安全性も上がりそうだな~、と思っていたら口から洩れていたようで研究員の一人が「他部門に協力を頼んできます!!」と言って部屋から出て行ってしまった。


 魔道具研究部門の見学を終えて魔法研究部門に移動する。手前の部屋の中は大きな楕円形の机が一つあるだけで、奥に研究室が4部屋並んでいた。


 魔力測定をするために奥にある部屋に入る。

 カーテンで光が遮られている薄暗い部屋の中にはこれまたアニメやゲームで見たことのある水晶が置いてある。


 これに手をかざすと魔力量とかがわかるのだろうか。などと考えていたらグラード団長に声をかけられた。


「この水晶に手をかざすと、魔力量が測れます。希望があればその他のステータスも見れますが、これは本人の承諾か子供の場合は親族の許可が必要になります」


 予想どおりだ。ところでステータスは他人にはあまり見せない方がいいってことなのかな。今日はこの後予定があるから今度時間に余裕のある時にぜひ見てみたい。


「ステータスでは魔法の適正とかもわかるのですか?」


「適正ですか? もちろん見れますよ。見てみますか?」


 他のステータスは今後でいいけれど、魔法の適正は知りたい。マンガの中では魔法を使っていたけれど細かい事は知らないのだ。


 使える属性の種類が少ない可能性があるので少し怖いけれどいつか知るのだから早くてもいい気がする。

 父の許可が出たので今回一緒に調べてもらうことになった。


「危険なものではないからリラックスして手をかざしてくださいね」


 深呼吸をして水晶に手をかざす。


 水晶が蒼白く光り出した。最初は淡かった光がどんどん眩しくなっていく。手で遮るほど眩しくなった頃ようやく光がおさまった。目がちかちかする。

 その後は7色の光がホワホワと光った。


 グラード団長と父が驚いている。そうだろうそうだろう、アルバートは魔力量が多いのだよ。これで一歩魔法剣士への道に近づけたんじゃないかな?


 では、適性の方の説明お願いします!




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