表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

能力は最強でも、とてもゆる~く生きている。 そして食べる。

最強過ぎる魔王は、敵がやって来る前にもう倒していた。 だから敵も来ないので、別に人間とかも怨まないし、とてもゆる~く生きている。 そんな魔王は、やっぱり食事を食べるのだった。

大陸にある一国。 王座の間に、王と、その家臣が集まっている。


 そしてその王が、家臣たちに尋ねている。


「お前達、誰かあの魔王を倒そうとする者は居らぬのか? 何時までもあれを放っておいては、我が国の恥なのだぞ。 誰か手を上げぬか」


 王の声に、誰も反応していない。 今まで手を上げて、生き延びた者は居なかった。 王に誓った瞬間、その者の命が失われるからだ。


 しかしこの日、初めてこの場に足を踏み入れた男、新兵であったその男が手を上げた。


「ならば王よ、この私めにお任せください! この私が、見事魔王を、この手で撃ち破って見せましょう! ・・・・・うッ・・・・ぐはぁ!」


 そして、その男は死亡した。


「はぁ、やはり駄目だったか。 この男は丁重に葬ってやれ。 家族にも病気だと言ってやるが良い。 他に行きたいものは・・・・・居らんだろうな」


 そんな事になっているともしらず、このあいだ食事をした店で、魔王はラーメンを啜っていた。


「んむ、このラーメンというものは、とても美味いぞ親父、また腕を上げたな!」


「気に入ったなら良かったよ。 この間は、あんたには助けられたからな。 しかし、あんな大金をポーンと出しちまうとは、アンタ相当金持ちなのかい? まあ今更返せ何て言われても、家には返す金なんてないからな。 その代わり、たまに来た時ぐらいなら、タダでメシ作ってやるさ」


「そうか、それは良い心がけだ。 ただし、もう二度目は無いと思え? この私が助けてやったのは、タダの気まぐれなのだからな。 もし次何か有ったとしても、私は気にせず通り過ぎるぞ」


「分かってるよ。 俺だってそう馬鹿じゃあないんだ。 そう何度も同じ事はしないさ。 まああの借金だって、俺が作った訳じゃあないからな。 友人だった奴の借金を、肩代わりさせられただけなのさ」


「お前の事情など知らぬわ。 しかし美味いなこれは、もう一杯貰おうか」


「あいよ!」


 そしてまたラーメンを啜り始めた。


アルザード・ジューダス・ジェイドレッド(魔王)


ラーメン。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ