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この小屋の持ち主はいったいどんな人物なのだろうか。
考えてみたが、俺にはよくわからなかった。
よくはわからなかったが少なくとも、けっしてお友達になりたいようなタイプの人間ではないことは確かなようだ。
それから数回山小屋の前を通ったが、カーテンが開いていることはなかった。
ところがある日、小屋の前を通った俺は、あることに気付いて驚いた。
山小屋の入口にいつもかかっている南京錠が、なかったのだ。
――まさか!
俺はいつも以上に慎重に山小屋に近づいた。
入口の鍵がかかっていないという事は、中に誰かがいる可能性が高いからだ。
俺は入口に取り付くと、聞き耳を立てた。
しばらく聞いていたが、何の音も聞こえては来なかった。
俺は思い切って取っ手を軽く押した。
扉が少し開いた。
俺はそこから何か動くもの、生きた人間とかがいないかを確認した。
そしていないと判断した俺は、日の光がより多く差し込むようにと扉を全開にして中に入った。
中には裸の女の人形が、十体以上あった。
そして入口近くには木製のベッドのようなものがあり、その上に馬鹿でかいはさみや大きなメスのようなものなどといった、普段はお目にかかることのない奇妙な器具が、いくつも置かれていた。
――なんだあれは?