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プロローグ

 ジャスラの最も西に、一つの大きな屋敷があった。

 ――ラティブの領主、ルフトの屋敷だった。

 そしてその地下のある一室……一人の女性と二人の娘が閉じ込められていた。


「……母さま」


 長女のレジェルが心配そうに母に寄り添う。


「もう……フェルティガを使うのはやめて」

「駄目よ……」


 母のベラがゆっくりと首を横に振った。

 その身体は傷だらけで……座っているのもやっとな状態だった。


「何があっても……あなただけは守らなくては」

「でも……このままじゃ、母さまが……」


 レジェルが泣きそうになっている。幼い妹のミジェルも、ぐずりながら母に纏わりついている。


「あなたが……発現しさえすれば……これが……」


 ベラが震える手で懐から透明な珠を取り出した。


「きっと……力になる」

「だって……私には……」


 何の力もないかもしれないのだ、とレジェルは言いかけたが、そのことだけを気力に今まで生きている母には、何も言えなかった。

 ベラは珠を再び懐にしまい、目をつむった。


「そして……これをあの方に……渡さなければ……」

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「旅人」シリーズ

少女の前に王子様が現れる 想い紡ぐ旅人
少年の元に幼い少女が降ってくる あの夏の日に
使命のもと少年は異世界で旅に出る 漆黒の昔方
かつての旅の陰にあった真実 少女の味方
其々の物語の主人公たちは今 異国六景
いよいよ世界が動き始める 還る、トコロ
其々の状況も想いも変化していく まくあいのこと。
ついに運命の日を迎える 天上の彼方

旅人シリーズ・設定資料集 旅人達のアレコレ~digression(よもやま話)~
旅人シリーズ・外伝集 旅人達の向こう側~side-story~
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