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・・・ん?ここは?なんか温かいものに包まれてる間隔があって温かいな・・・
んぃ!?何かに押し出される感覚が!あ!頭が!痛い!痛い痛い痛い痛い!!!
すると、頭が解放感に溢れ、次に上半身、下半身が外気に触れた。
そしたら急に泣きたくなってきた。取り敢えず泣いとこう。
「おぎゃああああああああああああああああ!!!!!!」
「おめでとうございます奥様、元気な男の子でございますよ。」
俺は寝かされたようだ。生まれたばっかりだが俺の努力によって俺の目は開かれている。
おかげでぼやけてはいるが周りを見ることができた。
すると、大柄な男性が俺を覗き込んでいた。
「おお!セレス!見てみろよ!こいつもう目開けてるぞ!きっと将来は大物になるぞ!」
「え?貴方、本当に?」
横に横たわっている女性が俺を抱きかかえ、顔を覗く。
「あら、本当ですわね、よろしくね。」
そういうと女性はにこりと笑いかけた。どうやらこの世界の人の顔は美女が多いようだ。周りのメイド?も美人どころが揃っている。
俺が産まれて3日後、俺に角が生えた。白銀色の神々しい角だ。
なお俺の名前は協会による信託でユウキ・バハムート・アルカディア・アカツキとなった。
教会とは、龍を崇める組織であり、新生児は信託〈帝龍の信託〉により名前を決めることになっている。
俺の信託にはこうあったそうだ。
『ーーーアルカディア王国の王子として産まれた新たな子の名はユウキ・バハムート・アルカディア・アカツキだ。彼は龍である。中でも最高位の神龍様である。丁重に育てよーーー』
だったそうだ。その信託に王都はお祭り騒ぎ、さらに時を待たずして角が生えたことにより王都をはじめとした都市を中心に約1週間の祭りを開催、王国内に湧き出た神龍の王子が産まれたという話は瞬く間に広まっていった。
そしてアルカディア王国第一王子、ユウキは5歳になりお披露目会に出席することになった。毎年1回開かれるお披露目会、そのお披露目会には貴族の5歳になった子供は出席することになっている。国王主催であるのと、5歳になった我が子の成長を見せることが目的だ。子供同士のつながりも持てる。
上級、下級貴族が談話し、子供たちもだいぶ落ち着いたころ、会場に陛下の到着を告げる声が響いた。参加者はみな片膝をつき、首を垂れている。
王が入ってくる。その後ろからは、王妃が続く。
俺の両親、国王のカンダート・ウォン・アルカディア 王妃のセレス・ウォン・アルカディアが壇上に用意されている豪華な椅子に座り、父が皆に声をかけた。
「頭を上げよ、今宵はお披露目会だ、気にせずに立食せよ。そして、我が息子であるユウキ・バハムート・アルカディア・アカツキが5歳になったため紹介しようと思う。ユウキ!」
「はい」
声をかけられたと同時に俺は舞台表に出ていった。すると会場はざわめきに溢れた。原因は俺の顔だ。俺の顔は白銀色の髪に優しくもしっかりとした目、顔も整っていて将来は凄いイケメンになるであろうという童顔っぷりだったのだ。
「皆さんこんばんは、僕はユウキ・バハムート・アルカディア・アカツキです。この度は、僕たち5歳になった子供たちのためにこのような催し物を開いてくださり有難うございます。僕たちは成長し、この国を担うことになるでしょう。それまでこれからも僕たちの成長を温かく見守ってください、この度招待された5歳の子供たちを代表してお願い申し上げます。」
とても大人びた俺のあいさつに驚いているようだ。
暫くすると拍手を持って迎えられたので俺は一礼して父上の隣にある豪華な子供用の椅子に腰かけた。
各貴族が父上にあいさつに来たので俺は母上に連れられ子供たちに会うことにした。そのあと俺たちは9時頃に子供だから寝ることになった。眠い、我慢ならん!
大人たちは日付が変わってもやっていたそうだ。
お披露目会の翌日から、俺は父上に頼んで魔法、体術、剣術を習うことになった。まあもう神龍化できるようになったけど人のまんまでも戦えるようになんないとだからな。
そうこうしていて1ヶ月、公爵と公爵の娘がやってきた。
その日も俺は剣術の鍛錬をしていた。剣術はいつの間にか二刀流になっていた。
その練度は凄まじいものがある。神龍のスペックは伊達にならないようだ。なんせ5歳にして王国最強と言われる王国騎士団長を倒したのだから。
なので最近は一人で特訓することが多くなってきている。すると俺を観察している一つの気配があったが害になりそうにないので無視する。
1時間後、集中してやっていた訓練が終わり、動きが止まる。
すると拍手が聞えてきた。・・・存在忘れてた・・・
聞えてきたほうを見るとそこには金髪のロングヘアで可愛らしい1人の少女が縁側に座ていた。
「ん?君は?ずっといたよね?見てて詰まんなくなかった?」
タオルで汗を拭きながら問いかけた。
「いいえ!とてもきれいでうつくしかったわ!」
少女は満面の笑みでそう答える。
少女はなんでここにいるのか聞いたら彼女はお父さんの付き添いできたそうだ。自分は暇だったので歩いていたら偶然俺を見かけてみていた言う。
聞くと彼女は今日来ているはずのライル・オーダー公爵の一人娘、アブゥローラ・オーダーというらしい。まさか公爵令嬢だとは。
しかもさっきから俺の左腕に抱き着いて話さないんだが・・・歩きづらい。
「それでユウキくんはどこに向かってるの?」
「うん、父上の所だよ。いつも訓練が終わったら終わったと報告しないといけないんだよ。」
「へー、そうなんだぁ、今多分そこに私の父上がいるから私も行く!」
「ん、わかった、一緒に行くか。」
「うん!!」
着いたのは応接室、父が今いる部屋だ。ノックをして入る。
中にいたのは案の定、俺の父と公爵だった。なおアブゥローラはまだ俺の腕に抱き着いている。
「・・・決まりだな。」
「・・・ああ。」
「?父上、何がきまり、なのですか?」
「ああ、ユウキ、お前とそこにいる公爵令嬢、アブゥローラは許嫁だったのだ。黙ってて済まない。」
「え!?いいな・・・ず・・け?」
「うむ、そうだ、詳しい理由は話せないがよろしく頼む。お前は賢い、言ってる意味は分かるな?」
「はい、父上。しかし、本人が良ければ何を文句はありません。」
「・・・それは大丈夫そうだな。」
「はい・・・」
そのあといろいろ鍛錬の話とかをして部屋を後にした。
続く!!
5歳で許嫁・・・しかもかわいい・・・羨ましい!