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2月1日〜10日

『恋を占う』(2月1日 マーガレット)

花占いなんてただの気休めなのは分かってる。こんなの、最初に花弁を数えたらいいだけだ。奇数なら「好き」から、偶数なら「嫌い」から始めたら必ず『好き』になる。それでも私はあいつを待ちながら花弁を毟る。好き、嫌い、好き、嫌い、好き。



『人間嫌い』(2月2日 節分草)

人間は嫌いだ。身勝手な方法で僕らを愛でる。摘んだり折ったり、時には僕らに気付かず踏み付ける。僕らは人間の悪口を言うけれど奴等には聞こえない、気にされない。でも中には「わぁー、綺麗だねぇ」なんて微笑んでくれるから。咲かずにいられないよ。



『勝利』(2月3日 種漬草)

「え!」彼から驚きの声。私は片手に詰んだ山野草を手に振り向く。「それ、食べるの?」「ええ。これはタガラシとも言うんです。天麩羅が美味しいですよ」物凄く面白い顔。物知りだね、興味あるな、だって。私の勝ちですね先輩。この恋も種漬花も頂きます。



『静謐』(2月4日 ヒトリシズカ)

「私はセーヒツな時間が好きなの、あなたのようなムイミにソーゾーしくてこちらをヒヘーさせる人、だいっきらいなの」分かったのは君は怒った顔すらキレーなんだなーってこと。俺みたいな頭のわりーヤツ、君には釣り合わないと分かっていても、でも。



『自由』(2月5日 猫柳)

欲しているのに、いざ手にすると持て余し、心が縛られたような心地になる。あんなに喉から手が出るほどだったというのに。きっと私の手には負えない存在なのだろう。身に余るほどの光栄なのかもしれない。それでも再び求めるのだ。楽に息が出来るその瞬間を。



『快活な愛』(2月6日 菜の花)

「好きよ!」何の意図もなく、その辺の石ころや草花や道路標識に向けられる好意(そんなものに好意を向けるとは思えない)と同じレベルの『好き』を言い放つ君。きっと僕のこの渦巻く思いには気付かない。今はそれでいい、僕も叫ぶから。「好きだぜ!」



『真心の愛』(2月7日 蒲公英)

喜んでくれるだろうかなんてそわそわしながら、選びに選んだ包みを抱え、雑踏の中を足早に進む。素敵なディナーになると良いのだけれど。予約の時間が迫っている。あなたはもう待っているはず。逸る心、脈打つ心臓、慣れないヒール。都会の夢が今開く。



『調和』(2月8日 ホトケノザ)

あの子とあなたの間にいる私は、きっと2人のズレを修復している。根本的に合わないのよ、なんていう彼女のボヤキも、もっと素敵な人がいるんじゃないか、なんていう彼の夢想も握り締めているのは私。私次第であなた達の均衡は崩れるの。全ては掌の上。



『夢想』(2月9日 ゼンマイ)

夢を見る。あなたの背中。思い描く。あなたとの未来。そこには居心地の良い家と、温かい食卓、美しい花があって。夢を見る。いつか来る、その日を。夢を見る。別れの瞬間を。悲しみの行方を。夢を見る。夢を見る。夢を見る。ああ。醒めなければいいのに。



『いつまでも続く楽しみ』(2月10日 エンドウ)

どうしてこんなにも、君との時間は特別なのだろう。どんなに心がささくれてしまっていても、どんなに荒れ狂っていても、哀しみに飲まれていても、いつだって楽しくて愉しくて仕方がなくなってしまうんだ。この時間よ、永遠となれ。

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