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1月21日〜31日

『先駆者』(1月21日 木瓜)

見よ。この大海原を。無限の空を。木々の唸り声を。お前の前途がどれほど曇っていたって関係ない。我々は歩んでいかねばならない。苦しみながら、叫びながら、汚物に塗れながらも。それが生きとし生けるものの運命であるのだから。子守唄は捨て置いて。



『華やかな恋』(1月22日 シンビジウム)

高嶺の花だった。届く訳がなかった。住む世界が違ったのだから。それでも君に恋してしまったら、もうそれは仕方がないじゃないか。触れたいとは思わない。でもせめて僕の名前だけは知っていて。沢山の花に囲まれた君を遠くから見ている僕を。



『可憐』(1月23日 アッツザクラ)

お嬢さん、私と一時の逃避行をしませんか。飴玉が欲しいですか?それともお人形?あなたが望むなら美しい装飾のお洋服でも、頬が落ちてしまうような豪華な食事でもご用意しましょう。え?だめ?良かった。可憐なあなたを手折る後悔が消えました。



『長寿』(1月24日 万年青)

「この葉、随分鋭いね、何て言うの」「オモト」「へぇ」「万年青いんだ」「なんだか僕らみたいだ」「どうして?」「万年青いんでしょ?」「だからそれが何故僕らみたいなんだよ」「さぁ何ででしょう」「教えてよ」教えない。この恋の寿命は永遠だなんて。



『純真』(1月25日 ミミナグサ)

もうあの頃のような安らぎには戻れないと分かっている。だってあの美しく健気な気持ちは風船のように飛んでいってしまったのだから。子供らしくいることの出来なかった僕らは、大人になれない大人になった。真白な清き心よ。どうか星になって輝いて。



『心静かな愛』(1月26日 ヒヤシンス)

見つめているだけで良かった。それだけでも幸せだった。静寂の中にある熱い胸の内に気付かずにいたかった。君の育てているヒヤシンスと僕のをこっそり取り替えっこ。まるで君を攫ったような、罪悪感と感激がせめぎ合う。僕はそれを踏み付けた。



『献身的な愛』(1月27日 ヘリオトロープ)

私、あなたに尽くす為に生まれてきたんじゃないかしら。あなたの為なら何だって出来そうなの。掃除でしょ、洗濯でしょ、炊事も任せて。あなたの好みちゃんと把握しているの。好きな柔軟剤も。だから、ね?そろそろ...私ニ気付イテヨ。



『何処でも成功』(1月28日 ネモフィラ)

私はいつだって成功者だった。蝶よ花よと皆が愛してくれていたの。お勉強だって出来るし運動も出来て、何をしても完璧。なのにどうしてかしら。あなたは私に見向きもしない。こんなに悔しいことがある?見てなさい。必ず手に入れてみせるわ。



『魅力的』(1月29日 ラナンキュラス)

あんなに魅力的なものに出逢ったこと、今までなかった。一目惚れというやつだ。今まで散々馬鹿にしていた運命って奴を信じたくなってしまう。僕は彼女の手を取る。無機質で冷たい。動かない彼女を抱き抱える。さぁ帰ろう。僕の家が君の家だ。



『私の伴侶』(1月30日 カルセオラリア)

自分が1番大切で好きなことしかせず頼りにならない、私を特別扱いもしない、他人と自分には優しいのに私に厳しい、年上の癖に甘えたがりでいつまでも子供のような人。そんなあなたが私の伴侶。この人生でただひとりの伴侶なのです。



『あなたを支える』(1月31日 シロタエギク)

決めたのです。あなたのお傍にいることを。どんなことがあっても離れないことを。あなたを支えていたい。ただそれだけが望み。許して頂けませんか。

ええ、許しましょう。そして私もあなたを支えたいと思いました。どうぞ宜しく、君。

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