6月1日〜10日
『集う喜び』(6月1日 マトリカリア)
君の手と、僕の手と、誰かの手と、そうやって手と手を取り合って生きていける喜びを噛み締めていた。僕らはいつだって結局ひとりだ。けれども独りでは生きていけない。正しいことなんて分からないけれど、それでも集えた仲間ならきっと宝物になっていける。
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『勇気』(6月2日 タイム)
鶏肉と微塵切りした玉ねぎをトマトと一緒にコトコトと煮込む。愛するあなたへの勝負料理。特別な時の特別なメニューに愛を込めて、時間をかけて。ああ、神様。私に勇気をください。最後の一押し、あなたへの告白。願いを込めたタイムを落とす。美味しくなりますように。
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『あなたの親切に感謝します』(6月3日 亜麻)
一人淋しく朽ちていくはずだった私に手を差し伸べてくれたのはあなた、ただ一人でした。あなたにとってはただの気紛れ、ほんの少しの善意だったかもしれない。それでも私がもう一度夢を見るには充分過ぎる温もりだったのです。
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『静かな喜び』(6月4日 色待宵草)
「farewell to spring」いつかの別れの時に彼がそういって差し出した花と再会した。その時には意味も分からずただ悲しかったが遂にその真意を知った。ひらひらとした花弁を持つ赤い色待宵草の英名と私の名前を掛けた別れの言葉だったのだと。
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『照り映える容色』(6月5日 ハマナス)
浜辺を共に歩いてみたいと思った。君はきっと白いワンピースが良く似合う。麦藁帽子の紺色のリボンが風に棚引き、裾から覗くすらりとした脚は砂に優しく吸い込まれるだろう。照り付ける陽射しすら和らぎ、君を見守る。上品で可愛らしい君を夏へ誘おう。
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『熱愛』(6月6日 ジギタリス)
猛烈な毒にも似た愛であなたを溺れさせる。私の内から溢れて止まない衝動で、あなたを絡め取って離れなくさせてしまおう。痺れた舌では私以外の味なんて分からなくなるはず。震える腕では何も掴めないし、一人でなんて立てやしない。私だけがいればいいでしょう?
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『忠実』(6月7日 岩鏡)
あなたを正確に映し出す為に何者にも負けず、何にも染まらず、あなたにとって唯一の私でありたかった。透き通るような雫が私に降り注ぐ静謐さに身を任せるのは、心細くも心地好くて。きっとそうなれると思っていた。私のような小さな花を愛でてくれるあなたを待っている。
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『前途洋々』(6月8日 泰山木)
約束された未来への確実で堅実な航海。煌びやかではないかもしれない。烈しさも刺激もないかもしれない。誰かは笑うだろう。「決められた道ほどつまらないものはないよ」「冒険心のない奴だな」でも僕は誇りに思おう。世界は広い。まだ見ぬ僕に会えるこの先を。
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『素朴な愛』(6月9日 野薔薇)
慎ましやかでシャイな君の可憐さが眩しいような晴れの日に、僕はこの掌の中で輝く気持ちを「愛」と呼ぼうと誓った。なんてことはない、素朴な気持ち。だけどもこのままずっと大切にしておきたい大きな気持ち。一生を君に。君も同じ気持ちだったら良いのだけれど。
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『素直』(6月10日 ジャスミン)
「あなたはまるであの映画のヒロインみたいね」と褒めてもらってから、私はいっそう自分のことが好きになった。そのヒロインはとても無邪気、とても素直、そして美しい人。名は体を表すという言葉を信じてみたくなったきっかけ。私を支える大切な思い出。




