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4月11日〜20日

『教育』(4月11日 矢車菊)

あなたの為だと押し付けられた、重だるい荷物をいつまで背負えば良いのだろうと俯いていた誰かの足元を眺めている。元気を出しなよ、なんて言えたらいいのに風に揺れることくらいしか出来ないんだ。君は顔を上げる。自らの運命を切り拓く為に歩き出す。



『はにかみ』(4月12日 杏)

その表情が好きだから何度だって君に好きだと伝えたい。愛なんてそんな大袈裟なものではなくて、君が照れて俯いて真っ赤になった頬や隠しきれない耳なんかを見つめているのが好きだから。好きだよ。うるさいなぁ。そんなやりとりが何よりも好きだから。



『見掛け倒し』(4月13日 クマガイソウ)

その掌が想像していたより厚くて熱くて、私は思わず手を離してしまう。あなたは微笑むだけ。どうしたのと訊くその声も、耳に馴染んでいるより断然優しく、低い所で響いて、まるで私を包むよう。威圧する外見は見掛け倒しね。あなたはまた微笑んだ。



『節制』(4月14日 ドウダンツツジ)

その花の呼び名を知ったのは慎ましく控えめな彼女に出会ったからだった。満天星躑躅。とても読めない漢字の羅列に僕は目を回して彼女は呆れたように笑った。灯台が語源なの。満天の星に例えられた花でね。じゃあ僕にとっては君が灯台で空を埋め尽くす星だね。



『自然への愛』(4月15日 木蓮)

私は世界を愛している。私の愛が光となり雨となり、地上を潤し育てまた、奪う。世界は私の愛の循環であると言っても過言ではないかもしれない。それはとてつもない重責で、時には手放したくもなる。けれども私はこの両手で包める世界を丸ごと愛しているのだ。



『清々しい明るさ』(4月16日 山吹草)

例えば一晩中降り続いた雨がすっきりと止み、雲間から差し込む朝陽と雨粒を滴らせた草木の煌めきのような。例えば夏の日差しに揺らめく逃げ水とキンキンに冷えた炭酸飲料の泡が浮かんでいくガラスのコップのような。そんな爽やかで清らかな君が大好きです。



『私の願いを聞いて』(4月17日 花菱草)

話したいとずっと考えていた。私の胸に宿る一筋の希望のこと。時々それは消えそうになって逃げ出してしまいそうになるけど、いつだって私に寄り添っていてくれた見えない味方。探している時には見つからないけど、きっと君の傍にもいることを忘れないで。



『勤勉』(4月18日 赤詰草)

負けない。それだけを胸に耐えていた。静かな野心と執着心の熱量は全て、学ぶことに注がれていたんだと思う。それは誰の為でもない。自らの為に。どれほど醜くとも、どれほど薄汚れていても、全力を尽くしたと胸を張れるその日を夢見て。輝く未来はこの先にあるはず。



『幸せを掴む』(4月19日 黄菖蒲)

私の右手はあなたの左手に掴まれている。何度振り解いても何度噛み付いても離さないでいてくれるあなたの左手。温かいあなたの、左手。大好きなあなたの。私の中に貯まるはずの幸せは左手から零れて足元に堕ちる。いつかちゃんと掴むよ。笑顔溢れる未来の為に。



『合意』(4月20日 芝桜)

目と目が合い、思考と感情が一致した。共犯者の微笑みなどない、互いに向けた銃口の睨み合い。君には僕、僕には君だけだという脅しをは独占欲に塗れて矛盾している。全ては合意の上でした。それは秘密の合言葉。君の妖しい目線にたじろがない為の第一歩で君を虜にする。

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