1月1日～10日
『幸福』(1月1日 福寿草)
君はいつだって微笑みを絶やさない。どんなに理不尽を突き付けられようと、どんなに悲しみの淵にたたされようと、決して下を向くことはない。それはさながら幸福の体現。君を見ているだけで多くの幸福が生まれるのだ。君が心を殺していることなど知らずに。
『優しい心』(1月2日 蝋梅)
輝いていた。この世の何よりも輝いて見えた。それほどまでに君は俺の女神だった。そう、正しく女神。全てを包み込むようなそのこころに何度救われたか分からない。きっと今度は俺の番。優しさの伝染。君に貰った優しさは君が消えても何処かで輝くのだ。
『自惚れ』(1月3日 水仙)
君はどうやら俺のことが好きらしい。当然だよな、だって俺はカッコイイし気が利くし優しいし。俺以上の男なんていないんじゃね！？なんて思ってたらどっかのチャラ男がかっさらった。何でだ！詰め寄ると「丁度良かっただけ」だと。自惚れていただけか...
『信頼』(1月4日 クロッカス)
どうして二人は出会ったの、なんて歌を何処かで聞いた。そんなの決まってるじゃないか。理由なんてない。君と僕が出会ったことに意味なんてない。だからどうか辞めておくれ。こんな恋に命を投げ出す意味もないんだから。僕らの間の想いだけで充分だろ。
『自信』(1月5日 三角草)
三角草ってあるじゃない？え？知らないの？三角草よ、三角草。ミ・ス・ミ・ソ・ウ！あなたって本当に無知なんだから。もっと教養を付けなさい？で、三角草なんだけど、彼らって凄いの。何がって？お値段。一鉢３万ですって。私にぴったりの花だと思わない？
『若返り』(1月6日 ユズリハ)
あらいらっしゃい。惚れ薬を探してる？お相手はどんな方？...それは素敵な方なのでしょうね。でも薬に頼っては駄目。あなたの魅力を磨きなさいな。この薬草を使って体を洗うのよ。匂い袋もどうぞ。いやね、私まで若返ってしまいそう。頑張りなさい。
『長く待ちました』(1月7日 白いチューリップ)
あなた、やっと迎えにきてくださったのね。あなたが余りにものんびり屋さんだから、私はこんなにおばあちゃんになってしまったじゃない。あなたはいつもそうだったわね。でもそんな日々がとても楽しかったの。あちらでもまた宜しくね。
『愛されることを知った喜び』(1月8日 アザレア)
今までの私は私ではなく、この日にやっと生まれたのです。あなたに愛されたこの日に。初めて知ったこの感情を喜びと呼んで良いですか。哀しみの海で溶けてしまう前に救い出してくれたあなたになら、命だって差し出せると思うのです。
『物思い』(1月9日 パンジー)
「なーにしてんの」「んーなんでもー」「あ、黄昏てるぅ」「悪い？」「ううん、さっちゃんらしくないよ～」「確かに」「ほら、あのクレープ屋さん行こ、奢る奢る」「んじゃ奢られる」「安いヤツにしてね」「1番高いヤツに全トッピングする」「えー！」
『希望』(1月10日 スノードロップ)
雪乃と雫は生まれて初めての喧嘩をした。とても些細なことだったのに、もう手が付けられなくなってしまった。後悔。でも今までずっと仲良くやってきたのだ、これからもそうに決まってる。「ごめんね」言葉は重なり双子は互いの手に希望を委ねた。
