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あの世の行きの電車  作者: 林 秀明
7/18

死闘

咲は凄まじい勢いで山の頂上へと向かっていった。突然の出来事で自分がどういった境地にいるのか理解出来なかった。ゴーグルを付けていたので目に風の影響はなかったが、逆に下に広がる景色が恐怖心を一層煽った。


恐怖心ととまどいの中、自分が理解出来ないまま山の頂上まで時間がかからず行く事が出来た。胸の鼓動が弾けそうなほど鳴り響いている。向い側の山の麓を見ると、青、赤、黄色と光輝いている場所が見えた。


「あれが着地する目印か……」


咲は目印が見えた時点でパラシュートを開き、着陸態勢を取った。パラシュートのゆっくりとした動きが咲の心を幾分か落ち着かせた。


周りをゆっくりと見渡すと目印以外に輝いている場所は見えなかった。下は全てが漆黒の闇と化しており、黒い闇が本当のあの世に繋がる底なし沼に見えた。



咲はふと翔太の言葉を思い出した。見えるものが全て真実であるとは限らない。下に広がる漆黒の闇が無事着地できる地点だと一瞬考えたが、闇はあまりにも深く広く、とてもじゃないがどこが正解ポイントか見分けがつかなかった。


おそらくあの三色のどれかが正解であると考えた。咲は深く考えた。信号機のように青が安全で、赤は危険だと普通は考えるべきだ。だが翔太の言っていたことを考えると赤が正解の可能性が高い。


咲は赤く光輝いている方へ向けパラシュートを方向転換させた。近づくにつれ、着地する場所がはっきりとしてくる。そこには血の赤いような池があり、中には死んだ亡者が手を差し伸べこちらを見つめていた。


「駄目だ。絶対に降りれない。ここじゃない」


咲は方向転換をし、黄色い場所を目指して飛び立った。あそこに降りたらあの世に絶対に連れて行かれる。はじめて会って間もない人を信用しては駄目だ。さっき私を突き飛ばしたし……


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