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あの世の行きの電車  作者: 林 秀明
13/18

バンザイ

「ようこそ度胸の自動販売機へ。あなたさまは勇者であります。この自動販売機は一風普通に見えますが、中身は恐怖の賜物です。それは三十種類ほどの飲み物がありますが、七割は毒入りジュースとなっており、残り三割は幸運ジュースとなっております。当たれば至福の幸せを手に入れるシュースですが、外せばあの世に直行出来るアトラクションとなっております。当たれば二十枚のコイン獲得。ノってる人は運で幸運を手に入れろ。停滞している人は引くのも勇気。ほかのアトラクションで勇気を示せ……」


「何これ!?」咲は茫然と立ち尽くした。


「アトラクションの一部みたい。外したら死んじゃうんだって。咲姉ちゃんは……」


咲は涙を流した。もしかして……


「私死んじゃうの?いやだよ。こんな運命で死にたくないよ」気が狂いそうだった。何がノッているんだ。


「たぶん大丈夫だよ。飲んでいる途中でパタっと倒れる人何回も見ているから」


翔太はオェと吐き出す仕草を見せる。咲にとってはたまらない嫌がらせだった。


「じゃあ大丈夫なの……私大丈夫なの?」


点になっていた眼が大きくなり、生きた眼になって咲へと戻ってくる。


「こう言えばいいのかな。おめでとう、コイン二十枚獲得だよ。」


「良かった……」咲は身を沈めるようにして泣いた。コインを獲得した事よりもこれからまだ生きていける事が出来る今に感謝をした。


「咲姉ちゃん強運だね。凄いよ。僕もびっくりしてるんだ」


翔太はバンザイのポーズを見せ、咲の周りを回る。


「次が最後だよ。覚悟はいい?」



可愛らしくもまだ現実世界へ戻れない非情に満ちた声が響いた。


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