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第1話

登場人物紹介


白石遥


職業 高校1年生 誕生日 11月6日

血液型 A型 身長 176cm

中等部の頃から真莉に片思いしていた。5人兄弟の5男で、上の兄弟や彼らの恋人からかなり可愛がられている。そのため家族に対しての当たりは強いが、かなりの家族思い。実家は会社経営をしている。

優等生で、生徒や教師からの信頼も厚い。生徒会に所属している。

色素の薄い瞳とレッドブラウンの髪を持ち、女性も羨む中性的で端正な顔立ちをしている。モデルのように手足が長く、実際の身長よりも高く見える。




深月真莉


職業 高校1年生 誕生日 7月18日

血液型 B型 身長 162cm

中等部から遥に片思いしていた。元々母子家庭だったが、3年前に母親は再婚。その時に弟が生まれたが、再婚相手の希望で高校から一人暮らしをさせられている。白石家の人間と関わり、家族の本来の温かさを知っていく。

どこか近寄り難い雰囲気から高嶺の花扱いにされている。図書委員会所属。

灰色の瞳と胸までの黒髪を持ち、あどけなさが残る美人。美意識が高く、抜け目の無い可愛らしさがある。




千瀬裕介


職業 高校3年生 誕生日 1月4日

血液型 O型 身長 177cm

白石家4男である泉と京華の3人で交際している。交際している2人とは幼なじみで、白石家とも仲が良い。しっかり者に見えるが、恋人の前だとだいぶ気が抜けて甘えるギャップがある。一人っ子で、家族とは普通に仲が良い。

成績もよく優しい性格からモテるが、基本無視している。図書委員会所属。

青い瞳とブルーブラックの髪を持ち、柔らかい笑みの似合うイケメン。線は細く肌は白い。




若宮京華


職業 高校3年生 誕生日 9月12日

血液型 B型 身長 158cm

白石家4男である泉と裕介の3人で交際している。交際している2人とは幼なじみで、白石家の癒し枠。白石家みんなが最初に頼る相手である。妹が2人おり、どちらも可愛くて仕方ない。家族仲はとても良い。両親は泉達の母親と友人。

遥と同等に優等生として生徒、教師人気が高い。生徒会副会長。

ブラウンの瞳にミルクティーベージュの髪を持ち、可愛らしい顔立ちをしている。慎ましいバストを気にするが、スタイルは普通に良い。




白石遥 side


何時からだろう。僕は君に恋をした。

長くて綺麗な黒髪に、真っ直ぐ前を向く綺麗な瞳。まるで吸い込まれるような容姿に、努力家で謙虚な性格な君に惹かれていった。初めて声を掛けられた時、雨の日に傘を貸してれたよね。誰かも分からない、ただの同じ学校の相手なのに隔てない優しさを見せた所に惚れたんだ。話す回数が増える度、不意に見せる控えな笑み。もっと笑っていて欲しくて。もっと僕の隣にいて欲しくて。ねぇ、僕らしくないって君なら言うかな?

でも存外、僕も男だからさ。好きな人を逃がしたくないんだ。ずるいって分かってる。だけど、どうか君の未来に僕も居させて欲しい。



「深月さん」


「どうしたの、白石くん」



鈴の音のように、心地良い君の声まで好きだよ。

どこを取ってもベタ惚れしてしまうぐらい、君が好きなんだ。



「僕は頼りない男です。意気地無しです」


「急にどうしたの。私はそんな事ないと思うけど」


「それは、深月さんが知ってる所だけを見た僕だよ。君が知らない僕のことがまだまだある。

勿論、僕だって君の知らないことは沢山あるだろう」


「そうだね。長い付き合いになったけど、私たちはまだお互い知らないことばかりだね」


「僕はもっと知りたい。深月さんのこと。もっと知って、ずっと隣に居たい」


「え。それって...」



大きく目を開く姿に、見蕩れてしまう。君も、そんな驚いた顔するんだね。



「僕は深月真莉さんのことが好きです。

君の良き理解者でいたい。ずっと隣で笑って、幸せな女の子にする。絶対に。だから、僕と付き合ってくださいっ」



震える声と揺れる瞳。あぁ。ついに言っちゃったな。でももう、友達の関係だけじゃ嫌なんだ。好きだから。世界で一番幸せにしたいって本気で思ったから。



「わ、たしも...ずっと白石くんの事が好き。大好きなのっ。釣り合わないって、ただの友達だって諦めてたの...でも、期待していいの?一緒に居てくれる?」



彼女から発せられた言葉で、今度は僕が驚く番だった。同じ気持ちだったの?何がそんなに不安なの?なんて、言いたいこと、聞きたいことが沢山ある。だけどこういう時って、先に体が動いちゃうもんなんだね。

気がつけば、僕よりも一回りも小さい君を抱きしめていた。離さないように強く。



「当たり前でしょ」



一言。それだけで信じてくれたのか、背中に腕を回してくれる。そして君の目からは涙が溢れる。もう。そんなに泣いてどうするの。目が溶けてしまいそうなくらい、潤んでるよ。でもそんな姿さえ、何よりも愛おしいけど。



「ありがとうっ。私を、貴方の彼女にしてくれて」


「こちらこそ。ありがとう。

僕を恋人にしてくれて」



幸せな時間。深月さんと2人きりで愛を確かめ合えるってなんて、まるで漫画やアニメみたいだ。こんな時間が一緒続けばいいって、そう思ってたんだけどな。



「うぅ、おめでとう。お義姉ちゃん嬉しいよ」


「遥くんにもついに恋人が。嬉しいね〜」



え?

ナンデフタリガココニイルノカナ?



「ちょっと!?なにしてんのっ、義兄さん!義姉さん!」


「え、えぇ!?」



2人が急に出てくるから、深月さんは羞恥心から顔赤くして固まってるし。しかも義姉さんのその手に持ってるスマホ。完璧に録画してるよね!?ね!?角度的にバッチリ撮ってたでしょっ?さっきのやつ!

もういい加減にしてくれ!




閑話休題




「深月さん大丈夫?落ち着いたかな」


「うん。大丈夫だよ。

それよりもさっきは大袈裟に驚いてすみません」


「いやいや!こちらこそ、つい舞い上がっちゃって驚かせてごめんなさい」


「遥くんから深月さんの話を聞いてたから、恋人同士に2人がなったことが嬉しくて...」


「こ、恋人」


「あらま可愛い〜。照れちゃってる!」


「こら京ちゃん」


「ごめん」



相も変わらず、元気な人たちだよ。ほんとに。



「はぁ...一応、2人の紹介しても良いかな?」


「うん。平気だよ」


「ありがとう。どっちも3年生なんだけど、

こっちは若宮京華。多分生徒会に入ってるから、見たことだけならあるかも」


「あ、入学式とかで前に出てた」


「そうそう。覚えててくれて嬉しいな〜。

これでも副会長させられてるからさ。これからも目立つようなことするかもだけど、よろしくね」


「それでこっちは千瀬裕介。この人結構モテるから、とりあえず女子が騒いでる原因として思ってていいから」


「なんか紹介適当じゃない?やっぱり怒ってるよね?」


「まぁまぁ、ゆうくん落ち着いて。ほら、はるくんは絶賛反抗期気味だから。仕方ないよ」


「そういえばそうだったね」


「ふふ。おふたりとも、白石くんと仲良しなんですね。なんだかこんなに元気な白石くん、初めて見た気がするよ」


「まぁ、付き合い長くて兄弟みたいなものだからね」


「幼なじみって感じなのかな?」


「そう。うちは5人男だけの兄弟なんだけど、2人は4男の兄さんの幼なじみなんだ」


「それで昔からはるくんとは一緒に遊んだりしてたんだ」


「本当に小さい頃から知ってるしね」


「そうなんですね!」


「もし遥くんの小さい頃とか知りたかったら、いつでも言ってね」


「何でも教えるよ〜」


「本当ですかっ?」


「ちょっと深月さんっ!?なんでそんなに楽しそうなの!?

あと、2人とも悪ノリやめて!」



とりあえず、このふたりが深月さんに余計なこと教えないように目を光らせる必要が出てきたな。



「久しぶりにこんなに笑った気します。普段はあんまり年上の方と関わる機会無いですから、新鮮です」


「そうなの?

でもいずれ、嫌でも関わることになるからな〜。ねぇ、はるくん」


「あぁ、あの人たちが好きそうなタイプだもんね。深月さんって」



母さんともう1人の義姉さんにはうちの男は敵わないんだよね。助けてあげれる時は助けるけど、絶対捕まえられて離さないんだよな。慣れてもらうしかないだろうけど。



「うちに遊び来る時は心構えちゃんとしといてね」


「え?えっと、わかった。

というか、遊びに行ってもいいの?」


「ぜひ来て欲しい!

一緒にお茶会したり、あとお買い物とかいきたいもん!」


「明るいといか、元気な家族だからね。最初は戸惑うかもだけど、段々慣れるから。俺達が1番下だったから、妹出来たみたいで嬉しいね」


「そうだね〜」


「なんで嫁側のあんたらがうちを紹介してんの」


「嫁側?」



あ、そうだった。うちについて話さないといけないんだった。すっかり忘れてたや。



「えっと、前話したことあると思うんだけど僕は4人の兄がいるんだ」


「うん。何回か聞いたね。皆さんそれぞれ優秀な方だったとか?」


「みんなそれなりにかな。元々家が経営者なのもあるし。最近だと年の離れた長男が結婚した時は周りからもう子供のことを言われて、義姉はキレてたけどね。」


「結婚ははおめでたいことだけど、大変だね」


「まぁ、あれはあの人が短気なとこもあるから。

キレてることに関しては割と気にしてなかったけどね」


「本当にあの時は本当にお祭り騒ぎで大変だった。元々長男が家を継ぐつもりだからうるさいのはあったしね。

それで話は戻るとけど、結婚してる兄弟が長男だけになる。それでも他の兄弟にも一応、恋人はいるんだ」


「そうなんだ!

白石くんのお兄さん達だもんね。本当にとっても素敵な人達が恋人なんだろうね」


「そう言って貰えて嬉しいよ。ちなみにだけど、4男の恋人はその2人だよ」


「え?」



まるで時が止まったように固まる深月さん。びっくりした顔もかわいいな。



「ふた、り?」


「またビックリさせちゃったね。

一応、4男の彼女だよ〜」


「彼氏になるよ」


「こんな感じで、僕ら家族って自由な恋愛してるから。最初は驚くだろうけど頑張ってね」


「えぇ!?」



いきなりこんなこと言われても戸惑うだけだよね。深月さん、頭を抱えこんじゃったし。

気持ち悪く思うような人ではないと分かってるつもりだけど、やっぱり思うことあるよね。



「一応自慢の兄達でもあるし、そんな兄の恋人達は愛情深くて良い人達ではあるんだけど。

だけど、周りから見たら特殊だし。僕らはそれを分かってるつもりだけど、でも僕達からしたらどうでもいいことだからね。深月さんがもし嫌だと思ったら、全然言ってくれても...「い、嫌なんか思ってないよ!」」



え?



「たしかに急な事でビックリはしたけど、でも、好きになった人がたまたま2人居た話でしょ?同性だっただけの事だよね?

それって、私は素敵な事だと思うの。この世界中何億人っている人のなかで見つけた、最も好きな人だもの。だから、えっとね。パートナーとしての形はそれぞれで良いと思う。その事を言いたくてっ」



いきなり色々話しすぎて混乱してるだろうに。いつもの冷静で落ち着いた言葉ではない。だけど、深月さん自身の本当の想い。あぁ。本当に君は優しい人だよ。



「ふふ。ありがとう。深月ちゃんだからこそ、はるくんは貴女を選んだのね」


「大体は口では素敵って言われるけど、まぁ嫌な顔してたから。深月さんのように、心から良い事だって言ってくれる子なんて久しぶりだよ」


「そんな、私は...」


「ありがとう」


「え?」


「僕の大好きな人達を肯定してくれただけで、僕達はとっても嬉しいんだ。幸せ者だね、僕は」



深月さんの緊張と不安から、震えて冷たくなっている手を握る。こんなにも人を思いやる気持ちが強い彼女が僕の恋人か。素敵な人と結ばれちゃったよ。



「私は、私の母親は昔は優しく、愛情深い人でした。1人で私を育て上げて、何時でも味方で居てくれる自慢の母親だった。でも、母も一人の人間で。誰かから愛情を求めるようになって、好きな人が出来たら私よりもその人を優先した。今はその人と結ばれ、子供もできて幸せそうに暮らしてる。

いきなりこんなこと言われて、白石くん達を困らせてしまったかもしれない。でも仲の良い家族に憧れてたから、白石くん達がちょっと羨ましいんだ」



泣きそうな笑みを浮かべて、話してくれる。

そんな辛そうな顔をしないで欲しいよ。だって、笑顔が似合うってよく知ってるから。



「こんな家庭環境のせいで、愛だの恋だのわかんなかった。

そしたら白石くんと出会って変われました」


「僕?」


「うん。白石くんの優しさはただ優しいだけじゃなく、暖かいの。ちゃんとその人の事を想って行動してることをしって。そばに居ることで安心できるようになった。だからね、私はこの人と居たいって。好きだってことを知った」



多分僕の優しいと思う所や暖かいと思う所は、僕が家族に愛された証なんだろう。それが深月さんにとって、救いになってたんだ。



「だから嬉しかった。そんな好きな人から幸せにするなんて言って貰えて。恋人にして貰えて。素敵な家族の話をしてくれて。出会ってくれて。

ありがとうね、白石くん」



深月さん...



「なんて良い子なのっ!

もう沢山私たちを頼ってね。甘えてきて良いからねー!」


「俺達は深月さんの味方だよ。本当の家族のように、沢山愛するからね!」



だ、か、ら、、、この人達はっ!



「ちょっと、それは僕のセリフだよね!

というか、深月さんは僕の恋人なんだから。2人とも近いよっ」


「へっ?」



あ、どうしよう。2人に嫉妬して、思い切り彼女を抱き締めてしまった。凄く良い香りするし柔らかいし。顔が赤くなる感じするかも。



「きゃ〜、はるくんったら大胆!

深月ちゃんも照れちゃって、2人とも初々しくて可愛いわ〜」


「遥くんも泉くん達になんだかんだ言うけど、やっぱりみんなの弟だよね〜。

嫉妬深い所がそっくりだよ」



この2人、絶対楽しんでるでしょ。



「からかわないでよ!」


「そんなことしてないわ。ただ可愛いくて仕方ないのよ。

折角だから写真でも良いかしら?」


「ダメに決まってるでしょ!」


「あ、あの!

私はいつまでこうしていれば...」



消え入りそうな声で訴える深月さん。そういえば、ずっと抱きしめてたままだった!



「ごめんっ。急に抱きしめたりなんかして」


「謝らないで!嫌じゃ、なかったから。

ただビックリしただけだから、大丈夫だよ!」



頬を赤く染めたまま、俯いて話してくれる姿が何とも言えない愛おしさで溢れる。どうしよう。僕の彼女が可愛いすぎる。



「そう言えば遥くん。君たち、いつまで名字で呼び合うつもりなの?」


「ほんとだ。下の名前で呼び合いなよ!

じゃないと私たちも深月ちゃんを下の名前で呼べないじゃん!」


「義姉さんはそれが目的だろ」



でも言われてみればだよね。確かに下の名前で呼び合ったり方が、恋人らしいか?



(え、え?白石くんを下の名前で呼ぶ!?そんなことしてもいいの?というか、呼べるのか私は?

でも呼べないと、白石くんのお兄さん方も白石な訳だし、ここは勇気をだして呼ぶべきかもっ)

「は、遥くん...?」


「あ、はいっ」

(え、ヤバい。何この破壊力。可愛い可愛い可愛い。

って、ダメだ。折角深月さんが名前で呼んでくれたんだから、僕も...)

「僕は真莉ちゃんって、呼んでも良いかな?」


「うんっ。是非そうして!」



あぁ、ただ下の名前で呼ぶだけでこんなキラキラした目で見てくれるんだ。これは中々。やっぱりあの人たちとの血は争えないや。愛おしくて、仕方がない。



「あらあら。顔真っ赤だわ」


「これは面白い末っ子カップルになったね」


「そうだね。これは、みんなに深月ちゃんを紹介するのが楽しみになってきた」


「だね」



こうして、何故か2人に見守られながら僕の恋人が誕生した。これから家族全員を巻き込んで、賑やかで楽しい日々を過ごす未来が待っている。

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