奇妙な冒険者
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
ギルドに依頼主のサインと運び残した魔石を提出する。そして報酬を受け取った。依頼が終わったので次の依頼を求めて掲示板を見る。
「また竜の討伐依頼がありますね」
「前の冒険者達は諦めたんだろうな」『しかし依頼は取り下げないのか…』
「全員が死んだらしいぜ」
「!!」
別の冒険者がカインとアーレンの会話に入ってきた。
「しばらく前から冒険者達が依頼を受けては全員死ぬを繰り返しているらしい」
「無理のある依頼だと知れ渡っているんだがな」
「…依頼を受ける冒険者達が途切れない」
冒険者は経緯を説明する。
「不思議なのは…この依頼以外で竜から被害を受けてるって話を聞かないんだ」
『でも、そのほうが竜から何かをしたりしないって話と辻褄が合うな』
『何で竜の討伐なんて事になったんだろう?』
冒険者の話を聞きながらカインの疑問は再燃した。
「人間じゃ竜には勝てないんだろうし…」
「あんた達も命が惜しければ竜の討伐依頼なんて受けないほうがいい」
冒険者はカインとアーレンに助言する。
『「あんた達も」って事は…この人も受けるつもりないんだろうな』
「助言ありがとうございます」
「参考にさせていただきます」
カインとアーレンが礼を言うと冒険者は頷いてギルドから立ち去った。
「竜は討伐されなきゃいけないような事を本当にしたんですかね?」
「疑問だな…」
カインとアーレンは竜の討伐依頼が気になっている。
しばらくしてカインとアーレンがギルドから出ると、大勢の冒険者達がギルドへ入っていく。
「あれ?さっきの人がいる…」
カインとアーレンに助言した冒険者が大勢の冒険者達の中にいた。大勢の冒険者達は直ぐにギルドから出てくる。
『この短時間で?』
『…受ける依頼が決まってたのかな』
『大勢で…』
カインは嫌な予感がした。
「アーレンさん、ギルドへ戻りましょう」
カインがアーレンへ切り出す。
「あの冒険者達の受けた依頼が気になるんだな」
「はい」
カインの気持ちはアーレンにも伝わった。アーレンも不自然に思っていたからである。
カインとアーレンはギルドに戻ると掲示板で依頼票を確認した。竜の討伐依頼がない。
「すみません、さっきの人達は竜の討伐依頼を受けたんですか?」
カインは窓口で担当者に聞いた。担当者は怪訝な顔をしている。
「はい、先ほどの方達は竜の討伐依頼を受けました」
「…依頼は早い者勝ちですので受けるのが遅かったと諦めて下さい」
担当者に注意された。カインとアーレンが竜の討伐依頼を受けたかったと思われている。しかし、依頼を受けたかったわけではない。
「追うぞ、カイン」
カインとアーレンはギルドを出て冒険者達を追った。しかし冒険者達が見当たらない。
カインとアーレンはギルドに戻った。
「すみません、竜の討伐依頼について教えて下さい」
カインは窓口で担当者に聞く。が担当者は険しい表情をしている。
「先ほども言いましたが依頼は早い者勝ちです、諦めて下さい」
担当者から再び注意された。
「竜の討伐依頼を受けた冒険者達は全員が死んだらしいと聞きました」
「本当ですか?」
冒険者に聞いた事をカインは担当者に確認する。担当者は答えない。
「教えてくれた冒険者が依頼を受けた冒険者達の中にいました」
「あんた達も受けないほうがいい、と直前に言っていました」
「不自然だと思いませんか?」
「それとも嘘を教えられたんでしょうか?」
カインが自分の疑問を担当者にぶつけると担当者は思案を始める。
「竜の討伐依頼に関して報酬は受け取らない、それでもダメですか?」
「…分かりました、竜の討伐依頼についてですね」
カインの疑問にアーレンが条件を付け加える事で担当者を説得する事に成功した。
"竜の討伐依頼について"と言っても詳しく聞く余裕はない。聞いている間に冒険者達がどうなるか分からないからである。
「竜は何処にいるんですか?」
カインに聞かれて担当者は竜の住処を教えた。
「あの村がある山に竜が…」
カインとアーレンが防衛の依頼を受けた村は山の麓にある。そして、その山に竜の住処があった。竜の存在は村の防衛に影響するかもしれない。
「直ぐに向かおう、カイン」
「はい、アーレンさん」
カインとアーレンは竜の住処へ向かった。




