食後の会話
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
三人は食事を終えて再び話し始めた。
「上位ジョブってぐらいだから魔法持ちは魔法使いに出来る事なら何でも出来る」
「魔導書があれば回復魔法以外だって使えるはずだ」
「俺は回復魔法と火魔法の魔導書を持ってる」
「回復魔法は重要だし、火魔法は使い勝手がいいからな」
ハロルは魔法についてカインに話している。
「他にはどんな魔法があるんですか?」
「俺が知っているのは…」
「回復魔法、火魔法、水魔法、雷魔法、風魔法、防御魔法、ってところだ」
「知られていないだけで他にもあるのかもしれない、世界は広いからな」
「なるほど、ありがとうございます」
ハロルはカインの質問にも答えた。
『先ずは魔導書を手に入れよう』
カインは心の中で目標を決める。
カインは仕事についても知りたい。
「今は回復魔法しか使えないんですが、どんな仕事がありますか?」
カインは仕事についてハロルに聞いた。
「そうだった、どんな仕事があるか知りたかったんだよな」
「仕事は…国に仕えたり、冒険者になったり、が他のジョブと共通だ」
「国に仕えると給与が支払われて収入が安定する」
「…と思われているが、職を追われればそれまでだ」
「ミスを押し付けられたり、上役にいびられたり、派閥争いに破れたり、な」
ハロルが話す横でリックは意味深な表情をしている。
「冒険者は俺達みたいな仕事だな、ギルドに登録して受けた依頼の仕事をする」
ハロルはリックのほうを見ながら言った。
「回復魔法が使えるんだから…」
「治療院で怪我人を治療するのも仕事になる」
「医者になるって事ですか?」
カインはハロルに質問する。
「いや、似ているが違う」
「回復魔法には風邪みたいな病気へ対処できる事がないんだ」
「体が損傷していれば治す事で対処は出来るけどな」
「他には道具屋にポーションとかを納品したりしても報酬が得られる」
「ポーションって魔法で作ってたのか!」
ハロルの話を聞いてリックが驚く。
「薬草で作った通常のポーションもあるが…」
「ヒール・ポーションはヒール、ハイ・ヒール・ポーションはハイ・ヒール、…」
「回復魔法毎にポーションがある」
ハロルはポーションについて説明した。
「ヒールとハイ・ヒールはどう違うんですか?」
「効果の大きさが違うんだ」
「魔導書…を使った事がないから使い分けた事もないよな」
「そうですね」『魔導書があれば使い分けられるのか…僕のはどっちだろう?』
ハロルの説明で回復魔法も一つではないとカインは知る。
『治療院は…開業資金が必要だよな』
『ポーションの納品はヒールとハイ・ヒールの使い分けが出来ないといけない』
『という事は回復魔法の魔導書が必要か…』
どうすればいいかカインは考えていた。
カインの中で結論が出る。といっても確認しなければいけない事があった。
「冒険者はギルドで誰でも登録できるんですか?」
「あぁ、出来るぞ」
リックが答える。
「回復魔法だけで出来る依頼もありますか?」
「ない事はないと思うが…冒険者になるのか?」
「はい、とりあえずお金を稼ぐには冒険者なのかなぁと思って」
「じゃあ、俺と組まないか?報酬は山分けでどうだ?」
まだまだ知らない事が多いカインにとってリックの申し出はありがたい。
「よろしくお願いします」
カインは申し出を受けた。
「俺も仲間に入れてくれよ、魔法持ちの力を見てみたい」
ハロルも申し出る。カインにリックとハロルという仲間が出来た。