剣士の鑑定
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
次はアーレンの鑑定である。カインとアーレンは座る場所を交換した。
「確認ですが女もスキルを持っているんですね」
「持っている」
ゼイルの言葉でアーレンは納得した顔をしている。
ゼイルはアーレンを真剣に見つめた。そして口を開く。
「アーレンは…自在剣、高速剣、剣士が持つとされるスキルを持っているな」
「それと心眼も持っている」
「熟練度もなかなかだ」
「心眼で隙を見抜き、自在剣の技術と高速剣の速さで斬り伏せる」
「…といった戦い方か」
まさにゼイルの言葉通りである。
「剛力は持っていないから力任せの戦い方は出来ない」
「神速を持っているから剣だけでなく身のこなしも速くなる」
「強靭は持っているが熟練度はそれほど高くない」
「敵の攻撃は出来るだけ受けないようにしてきたんだろう」
ゼイルはアーレンのスキルを説明していく。
「スキルは活かさなければいけないわけじゃない、無理に傷付く事はない」
「今まで通りの戦い方を続けていけば順調に成長できる」
「無理せず頑張ればいい」
「はい、ありがとうございます」
ゼイルの励ましにアーレンは感謝した。占う相手のスキルと熟練度を見て助言する。それがゼイルの占いだった。占いは助言や励ましをする事、運勢が悪いなどとだけ言って不安を煽る事ではない。
ゼイルはアーレンの鑑定を続けている。
「ん?これは珍しいな、幻惑無効を持っているのか」
「アーレンは幻惑されないし、仲間が幻惑された時は治す事が出来る」
ゼイルの言葉を聞いてカインとアーレンは顔を見合わせた。
「私には幻惑が効かない…」
「凄いですね、アーレンさん!」
アーレンは呟き、カインは感心している。
「二人は魔人の幻惑を目の当たりにした事があるのか?」
ゼイルに聞かれてカインは魔人との事を話した。カインは魔人と戦った経験がある。
「魔人は激昂して幻惑を解いてしまったんだろう、運が良かったな」
ゼイルは運が良かったと言う。しかし魔人は強かった。
「幻惑を治すにはどうすればいいんですか?」
アーレンに聞かれてゼイルはチラリとカインを見る。
「キスしてやればいい」
「!!」
ゼイルの言葉にアーレンは絶句した。カインは狼狽えている。
「童話になかったか?姫のキスは王子の呪いを解くって事だ」
「揶揄っているのですか!」
アーレンは声を荒げた。カインは相変わらず狼狽えている。
「嘘は言っていない」
ゼイルは真面目な顔をしていた。真面目な顔を見てアーレンは落ち着こうとする。そしてアーレンは落ち着いた。
「何故、私が女だと!?」
アーレンは再び慌てる。ゼイルはアーレンが女だと気付いていた。
「慌てなくても儂はそんな事を気にしていない、人にはそれぞれの事情がある」
ゼイルは落ち着いている。ゼイルの様子を見てカインとアーレンも落ち着いた。
「内緒にしておいて下さい」
「安心していい、儂に人の秘密をバラす趣味はない」
ゼイルは二人に約束する。約束に関してはゼイルを信じるしかない。




