剣士の悩み
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは一緒に依頼を受ける。受けた依頼を一緒に果たしていく。アーレンは強かった、魔物が単体であれば。しかし魔物が群れで現れた時に苦戦する。というよりも戦力にならない。
『誘われたのが嬉しくて仲間になったが…』
『…私はカインの足手まといになっている』
アーレンは悩んでいた。
「カインすまない、私は足手まといになっている」
「足手まといって…確かに群れの時は苦戦してますけど…」
アーレンが足手まといという事にカインは納得していない。
「やはりカインは私なんかと組まないほうがいいんじゃないか?」
「そんな…なんとか、もう少しチャンスを下さい」
カインはアーレンに食い下がった。
「カイン、女はスキルを持っていないんだ」
「えっ!」
「…そうなんですか?」
アーレンから話を聞いてカインは驚く。この世界で女はジョブもスキルも持っていないとされていた。
「でも…だけど…うーん…」
カインは腑に落ちていない。カインは考え込む。しばらくしてからカインは口を開いた。
「僕は騎士の家に生まれました」
「家庭教師を付けてもらって…父にも教えてもらって…」
「でも父のようにはなれませんでした」
「弟は直ぐに上達しました、僕は弟に敵いません」
カインは自分の経験を告白する。
「父や弟の凄さとアーレンさんの凄さは違うんですけど…」
「僕から見るとアーレンさんも凄いんです、スキルがないとは思えません」
カインの言葉にアーレンは何も言えなくなってしまった。
「ジョブやスキルをちゃんと知ってるわけじゃないのに…すみません」
自分の世間知らずを分かっているのでカインも沈黙する。
しばらく二人は考えた。カインは視点を変える。
「当たり前かもしれないですけど…鎧って防御の為に着けてるんですよね?」
「…そうだな」
カインは鎧の意味をアーレンに確認した。何かに気付いたかのようにカインはオロオロし始める。
「その…あの…水辺で…アーレンさんの…見て…」
「私の裸を見て、か」
「ワザとじゃないんだ、気にするな」
アーレンはカインを諭した。気にしているカインと違ってアーレンは気にしていない。
「えぇとぉ、鎧のサイズが合ってないんじゃないかと思うんです」
「サイズを合わせたほうが動き易いですよね?」
ようやくカインは結論をいう事が出来た。動き易ければ魔物の群れに苦戦しないだろうとカインは考えている。
「…確かに動き易いと思う」
「しかしサイズが合ってないのには理由があるんだ」
「先ず女性サイズの鎧なんて売っていない」
「サイズを計測してもらうとなれば、私が女で冒険者をしているとバレてしまう」
「それに…この鎧だから体型を隠せて男のフリが出来るんだ」
「なるほど…」
アーレンの説明を聞いて、カインは鎧のサイズが合っていない理由に納得した。しかし、鎧のサイズは合っているほうが良いはずである。
『何かいい方法はないかな…』
カインはアーレンの悩みを解決したい。仲間であるアーレンの悩みは自分の悩みである。




