冒険者との出会い
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
この世界には人や魔物や様々な存在がいる。魔物は人を襲い、人は魔物に抗っていた。この世界には四つの国が存在する。残念ながら国同士も争っていた。
四つの国の一つにファイアンドという国がある。ファイアンド国で隣国との国境付近をカインは歩いていた。
『野営の仕方は分かるけど…ずっとは出来ないよなぁ』
『住む場所も仕事も必要だ…』
『先ずは町に行こう』
そんな事をカインは考えている。
「グガガガガァー」
得体の知れない何かの叫び声が響き渡った。カインは叫び声のするほうへ急いで向かう。
「ウゥ…」
男が倒れていた。このままでは死んでしまうような大怪我である。
「大丈夫です、直ぐに僕が治します」
カインは男の怪我を治した。カインは怪我を治す事が出来る。怪我の大きい小さいは関係がない。
「えっ?あれだけの怪我が跡形もなく治ってる…」
男は驚く。しかし、驚いているような暇はなかった。
「ググッ、ググッ、ググッ、…」
異形の姿をした獣のような存在がこちらを睨んでいる。それこそが魔物だった。
「安心してはいられない、あの魔物をどうにかしないと!」
男は魔物へ斬りかかる。魔物は強い。魔物の攻撃を受けて男は傷を負う。しかし傷は直ぐに治った。魔物に勝ち目はない。
しばらくして魔物は奇妙な塊になった。
「俺はリック、助かったよありがとう」
「僕はカインです」
「あの…魔物はどうなってしまったんですか?」
カインは魔物を見たのが初めてである。戦いの結果も初めて見た。
「なんだ、魔物は初めてか」
「魔物は倒すと魔石になるんだよ」
リックが説明をしてくれる。
「俺は冒険者だ」
「冒険者はギルドで依頼を受けて魔物を討伐する」
「討伐して得た魔石をギルドに引き渡して報酬を貰う」
リックの説明もしてくれた。
「冒険者かぁ…」
『僕は冒険者になれるかな』
『怪我は治せるけど、あんな魔物を倒せないよなぁ』
呟きながらカインは考えている。仕事を見つけなければならないからだった。
「カインは回復魔法が使えるんだな、戦いの最中もか?」
魔物が変化した魔石を回収しながら今度はリックがカインに質問する。
「回復魔法…なんですかね、よく分かりません」
カインは正直に答えた。カインは自分が何をしているのか分かっていない。
「そうか、知らずに使ってたんだな」
「俺も詳しく知らないが多分そうだ」
「怪我なんかを回復する魔法で回復魔法、魔法は他にも色々あるらしい」
リックは教えてくれた。
「この後は何か予定あるのか?」
「魔物を倒した報酬が手に入るから飯でも奢らせてほしい」
リックがカインに申し出る。
「この後は町へ行って住む場所と仕事を探そうと思っていたんです」
「なんだそうなのか、じゃあ一緒に町に行こう」
「はい」
「飯でも食いながら話を聞かせてくれ」
カインとリックは一緒に町へ向かう事になった。