不思議な男
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインは一人で次の町へ向かう。次の町までは結構な距離があった。途中で野営が必要になる。
「我に従う水の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ水を与えよ、ウォータ」
『さっき取った具材を鍋に入れて…』
「我に従う火の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ火を与えよ、ファイア」
『後は煮えるのを待つだけだ』
カインは魔法を便利に使う。水魔法があれば飲み水に困らない。料理にも使える。何よりも水魔法の水は清潔だった。もちろん火魔法も便利である。
『次は雷魔法で魚を取ろうか?』
『いや、取れ過ぎてしまうから止めよう』
『食べきれない量の命を奪うのは命に対して失礼だ』
「我に従う守の精霊…」
「我が魔力を糧として我へ防壁を与えよ、バリア」
寝てる時になるとカインは防御壁を張った。防御壁を張っておけば魔物や害獣から襲われる心配がない。
『これで魔導書が嵩張らなければなぁ』
魔導書の難点は嵩張る事である。
朝になり、起きると防御壁の外に知らない男が立っていた。
「おはようございます、起きましたか」
『こんな所で待っていたのかな…』
『いつから待っていたのかな…』
「…おはようございます、何でしょうか」
男に挨拶されて戸惑いながらカインは挨拶を返す。
「頼みたい事があったので待っていました、よろしいですか?」
男は落ち着いている。
「頼みたい事というのは何でしょうか?」
「先ずは我が村にお越し下さい」
『魔物の擬態かもしれない』
男を警戒しながらカインは防御壁を解除した。男は襲いかかってこない。どうやら魔物の擬態ではないようである。




