武器屋
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
魔導書屋を出てカインとハロルは町を歩いている。
「道具屋にでも行くか…」
独り言のようにハロルはカインに話しかけた。
「あの…ハロルさん、武器屋に行ってみたいです」
「ん?魔法使いにとって武器は魔導書だろう?」
「魔導書を開いてなきゃいけないから剣とかは使えないぞ?」
「そっか、そうですね…」
ハロルの言葉はその通りである。考えれば分かる事だった。カインの様子がおかしい。
「まぁでも行っちゃいけないわけじゃないもんな…」
「…武器屋に行こう」
「はい!」
カインとハロルは武器屋に行く事にした。
武器屋は魔導書屋よりも町の入り口近くにある。魔導書屋に行く途中で見かけていた。探す必要がない。
「ここですね」
カインは武器屋も初めてである。魔導書屋ほど大きくない。隣には防具屋がある。
「いらっしゃい」
武器屋に入ると男に出迎えられた。武器屋の店主である。店主は心做しか不愛想だった。
「あんた達は初めてだよな、ジョブは何だ?」
「あの…魔法使いです」
「…そうか」
店主は興味を失ったように何かの作業を始める。
『冷やかしだと思われたのかな…』
店主を気にしながらもカインは店内を見て回った。置かれている剣は分厚くて幅が広い。持ってみると剣は重かった。リックのようには扱えそうにない。カインとハロルは武器屋を出た。
「無駄足になってしまってすみません」
「別にいいさ、俺も魔法だけじゃなくて剣とか使えたらと思うし」
ハロルはカインを気遣う。