寄り道
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
歩いているとハロルがカインに話しかけた。
「そろそろ目的の町だ、だから寄り道をするぞ」
「?」
何故、そろそろだから寄り道するのかカインには分からない。
「着いたぞ」
ハロルに付いていくと湖に着いた。
「冒険者には男しかいないから忘れがちになるが身だしなみには気を付けろ」
「具体的には…体や服を洗って綺麗にしておく」
「汗臭かったり血塗れだったりすると人から嫌われる」
ハロルは服を脱ぎながらカインに言う。つまり、この湖で身を綺麗にしてから町に行こうという事である。寄り道の理由が判明した。
「はい、分かりました」
カインも服を脱ぎながら答える。
「それに体を綺麗にすると気持ちがいいですよね」
「確かにな」
カインとハロルは湖で水浴びをした。
「我に従う火の精霊…」
「我が魔力を糧として彼へ火を与えよ、ファイア」
服も洗い、ハロルの火魔法を使って乾かす。
「飲み水もですけど、体を綺麗にする事を考えても水魔法が欲しくなりますね」
「だよな、都合よく水場があるとは限らないし」
「服を乾かすのに風魔法とかも使えますかね」
「なるほど使えそうだな、もっと単純に乾燥魔法なんてあれば楽だよな」
「確かに楽ですね」
話しながらカインとハロルは身を綺麗にして町に入る準備をした。
カインはふと思った事を口にする。
「そういえば何で冒険者には男しかいないんでしょう?」
「いつ死ぬか分からないような危険な事を女性にさせられないからだろう」
カインの疑問にハロルは当然のように答えた。
「あっなるほど、そうですよね」
カインはハロルの答えに納得する。