初めての朝
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
次の日、カインとアーレンは目を覚ます。
「おはようございます、アーレンさん」
「おはよう、カイン」
カインとアーレンは挨拶を交わした。
「お腹が空きましたね」
「昨日は夕飯も食べてないし、カインは夜遅くまで頑張ったからな」
「朝飯を食べにレストランへ行きましょう」
カインとアーレンは出発の準備をする。
『あれ?何か忘れているような気が…あっ!』
指輪の事をカインは思い出した。
「アーレンさん、左手を出して下さい」
「左手?」
アーレンは左手をカインの前に出す。カインはアーレンの左手薬指に指輪を嵌めた。
「アーレンさんを喜ばせたくてオリビアさんに作ってもらったんです」
「渡すまで内緒のほうがいいんですよね?」
『あっ、それで…』「フフッ」
アーレンはカインが一人になろうとしていた事やレストランでの事を察する。
「嬉しい…ありがとうカイン」
指輪を見つめてからアーレンはカインへ礼を言った。アーレンが喜ぶとカインは嬉しい。
「でも私ばかり…」
「あっ!」
「えっ?」
オリビアに指摘された通りの事をアーレンが言ったのでカインは驚いた。カインが驚いたのでアーレンも驚く。
「僕のもあるので気にしないで下さい」
カインは自分の指輪を出してアーレンに見せた。その指輪をアーレンは手に取りカインの左手薬指に嵌める。
「いくらだった?」
「えっ?」
「カインの分は私に払わせてくれ」
『僕からの贈り物だったんだけどな…』
アーレンの真剣な表情を見てカインは仕方なく指輪の代金を教えた。そして指輪の代金をアーレンが払う。
「改めてありがとう、カイン」
「面倒臭い女だと思うがよろしく頼む」
「そん…」
カインの反論をアーレンはキスで封じた。堪らずカインはアーレンを抱きしめる。