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指輪
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインはポーションの納品を欠かさなかった。カインにとっては一番の仕事らしい仕事である。普段はアーレンと一緒に道具屋へ行く。
「ポーションの納品に行ってきます、アーレンさんは宿屋で休んでいて下さい」
「一緒に行こうか?」
「大丈夫です、アーレンさんは休んでいて下さい」
その日、カインは一人にならなければいけなかった。実際にカインはポーションの納品に行く。しかし、カインの目的は指輪を受け取る事だった。
『悪い事してるわけじゃないけどアーレンさんに隠し事ってモヤッとするな…』
嘘は吐いていない。しかしカインはアーレンへの隠し事が心苦しい。
道具屋でポーションの納品をした後、カインは鍛冶場へ向かう。
「オリビアさん、こんばんは」
「指輪は出来ましたか?」
「よぅカイン、出来上がったぞ」
カインは鍛冶場でオリビアから指輪を受け取った。鳥がモチーフの指輪である。
「頑張れよ」
オリビアはニヤニヤしている。