日々の二人
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは町に滞在して魔物の討伐をしていた。町を離れても指輪は完成してから町に戻って受け取ればいい。しかしカインは町から離れられなかった。
魔物の討伐は全てアーレンがしている。カインの出る幕がない。
「何か楽させてもらってすみません」
「何を言ってるんだ、盾や鎧や回復の魔法を使ってくれているじゃないか」
『むしろ使い過ぎなくらいだ』
「それは確かに」『でももっとアーレンさんの為に出来る事ないかなぁ』
カインは苦もなく魔法を使っている。更に使いたくて使っているので仕事をしている感覚がない。愛する女に見惚れるだけの幸せな仕事である。
ギルドで依頼を受ける冒険者はサネティを使われるようになった。依頼主に対してもである。それは魔竜の件によって必要となった幻惑への対策だった。
「依頼の報酬が減りましたね」
「サネティが使われるようになってギルドの手数料が増えたんだろうな」
残念でもあるが事情を知るカインとアーレンは仕方がないと割り切れる。