永遠の火
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
カインとアーレンは城下町にいる。城下町の道を一緒に歩いていた。
『この前に来た時、それどころじゃなくて永遠の火を見てなかったな…』
ファイアンド国の城下町といえば永遠の火である。カインは永遠の火が気になった。
「アーレンさん、永遠の火って見た事ありますか?」
「いや、ないな」
「一緒に永遠の火を見に行きませんか?」
「あぁ行こう」
カインは永遠の火を一度見ている。しかし、アーレンと一緒に見てみたかった。カインとアーレンは城の前にある広場に移動する。
「これが永遠の火か…」
アーレンが呟いた。永遠の火はやはり仄かに暖かい。
「とうとう魔法の創造を始めてしまいましたね」
気付くと火の精霊が横にいた。いつも突然現れる。
「くれぐれも永遠の魔法は使わないで下さいね」
永遠の魔法については前にも火の精霊に注意されていた。魔法の創造を知っている今なら永遠の魔法も使えてしまうかもしれない。
「どうして使ってはいけないのですか?」
カインは火の精霊に尋ねた。
「永遠の魔法は使用者の魔力だけでなく魂も糧にするんです」
「!」
火の精霊から理由を聞いてカインとアーレンは驚く。つまり魂を失ってしまうという事である。
「普通の魔法使いなら魔力不足でそもそも永遠の魔法が発動しません」
「しかし、魔法持ちの貴方は膨大な魔力を持っています」
「なので魔法が発動してしまうんです」
火の精霊の注意はカインを心配しての事だった。
『僕を心配してくれていたのか…ありがたい』
カインが礼を言おうと思った時、火の精霊は既にいない。
「私からも頼む、使わないでくれ」
「はい、使いません」
顔を見合わせた後、カインとアーレンは一緒に永遠の火を眺め続けた。