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魔導師への報告

この物語(ものがたり)はフィクションです、実在(じつざい)人物(じんぶつ)団体(だんたい)とは関係(かんけい)ありません

「」で(かこ)まれた箇所(かしょ)(くち)()した言葉(ことば)

『』で(かこ)まれた箇所(かしょ)(こころ)(おも)った言葉(ことば)、になります

 報告(ほうこく)したい相手(あいて)がもう一人(ひとり)いる。カインとアーレンは城下町(じょうかまち)()ていた。


土産(みやげ)()うんだよな」


アーレンもアルダを(たず)ねるのが二度目(にどめ)である。(おそ)らく土産(みやげ)()っていかなくてもアルダは(はなし)をしてくれると(おも)われた。(よろこ)ぶと(おも)って()っていくだけである。


 カインとアーレンは()った土産(みやげ)()ってアルダの(いえ)()た。


「アルダさん、いらっしゃいますか」


(なに)(よう)ですか?」


(いえ)(とびら)(ひら)いてアルダが(あらわ)れる。


「おぉ、カインとアーレンか、また()てくれたんだな」


アルダは(よろこ)んだ。(よろこ)ばれてカインとアーレンも(うれ)しい。


「これ土産(みやげ)です」


「いつもすまんな」

「さぁさぁ(なか)(はい)ってくれ」


アルダはカインとアーレンを(いえ)(まね)()れた。


 アルダは(ちゃ)()れる。そして三人(さんにん)はイスに(すわ)った。


「それで今日(きょう)は…」『結婚(けっこん)報告(ほうこく)かな?』


アルダはカインとアーレンを交互(こうご)()ている。


「この(まえ)(はな)した(けん)なんですけど、解決(かいけつ)しました」

魔法(まほう)について(おし)えてもらったおかげです」


カインはアルダに報告(ほうこく)した。


「それで()てくれたのか」『結婚報告(けっこんほうこく)じゃなくて残念(ざんねん)…』「…いや、ありがとう」


アルダは勝手(かって)残念(ざんねん)がりながら(よろこ)んでいる。


(つよ)相手(あいて)()っていたが…どんな相手(あいて)だったんだ?」


アルダに()かれてカインとアーレンは魔竜(まりゅう)討伐(とうばつ)について(はな)した。


「なんて無茶(むちゃ)を!だが解決(かいけつ)したのか…」


アルダは(おどろ)きを(かく)せない。


「どんな魔法(まほう)創造(そうぞう)したんだ?」


アルダはカインの創造(そうぞう)した魔法(まほう)()く。魔竜(まりゅう)(たお)すに(いた)魔法(まほう)がアルダには()からない。


()ずですね…自動(じどう)(たて)創造(そうぞう)しました、オート・シールドです」


自動(じどう)(たて)?」


自動(じどう)(たて)出現(しゅつげん)させて攻撃(こうげき)(ふせ)ぐんです、(ふせ)ぐだけじゃなくて…」

攻撃(こうげき)(しょう)じた魔竜(まりゅう)(すき)()(こと)出来(でき)たらと(おも)って創造(そうぞう)しました」


カインは自動盾(じどうたて)魔法(まほう)をアルダに説明(せつめい)した。


自動盾(じどうたて)地味(じみ)強力(きょうりょく)魔法(まほう)だ」

「いや、そこじゃない…自動(じどう)魔法(まほう)なんて魔力(まりょく)消費(しょうひ)(おお)きいはずだ」

普通(ふつう)魔法使(まほうつか)いなら一回(いっかい)発動(はつどう)魔力切(まりょくぎ)れを()こすだろう…」

「しかしカインは「()ず」と()っていたな、どれだけの魔法(まほう)使(つか)えるんだ」

「…カインは一体(いったい)何者(なにもの)なんだ」


アルダは興奮(こうふん)してカインを()(ただ)す。


「えっと…」

自動全回復(じどうぜんかいふく)(よろい)自動盾(じどうたて)盾包囲(たてほうい)水壁(みずかべ)千雷(せんらい)、…の魔法(まほう)使(つか)いました」

「それと(ぼく)魔法持(まほうも)ちらしいです、回復魔法(かいふくまほう)魔法持(まほうも)ち」


カインはアルダの質問(しつもん)淡々(たんたん)(こた)えた。カインは(おどろ)かれる(こと)()れている。そして自分(じぶん)(ちから)(たい)したものだと(おも)っていない。


魔法持(まほうも)ち…か、桁違(けたちが)いの魔力量(まりょくりょう)だと()いた(こと)がある」

『カインが魔法持(まほうも)ちだったとはな…』

『…魔法(まほう)創造(そうぞう)()った魔法持(まほうも)ちなら(りゅう)()てても不思議(ふしぎ)じゃない』


アルダは納得(なっとく)した。


自動全回復(じどうぜんかいふく)魔法(まほう)自動(じどう)なだけでなく全回復(ぜんかいふく)なんてデタラメ()ぎる』

強靭(きょうじん)()っている(もの)使(つか)えば不死身(ふじみ)になってしまうじゃないか』

(よろい)魔法(まほう)()っている、というか(わし)(つく)った魔導書(まどうしょ)()っている』

自動盾(じどうたて)魔法(まほう)説明(せつめい)された』

盾包囲(たてほうい)?』「盾包囲(たてほうい)というのはどんな魔法(まほう)なんだ?」


アルダはカインに質問(しつもん)する。


(りゅう)巨大(きょだい)でアーレンさんの(けん)(とど)かないな、と(おも)ったんです」

「なので足場(あしば)になる(たて)包囲(ほうい)する魔法(まほう)創造(そうぞう)しました、シールド・シージです」


カインはアルダの質問(しつもん)(こた)えた。


結果的(けっかてき)魔竜(まりゅう)(うご)(とき)邪魔(じゃま)にもなって一石二鳥(いっせきにちょう)でした」


カインは盾包囲(たてほうい)効果(こうか)()(くわ)える。カイン自身(じしん)想像(そうぞう)した(とき)期待(きたい)していなかった効果(こうか)だった。


「アルダさんに()せてもらった火魔法(ひまほう)参考(さんこう)にしたんですよ」


『あれは想像(そうぞう)のバリエーションを()せる(ため)魔法(まほう)だったんだがな…』

「それは()かった」


アルダが()せた魔法(まほう)想像(そうぞう)(おも)いもよらない(かたち)でカインの(やく)()っている。


「でも魔法(まほう)創造(そうぞう)って上手(うま)くいくばかりじゃないんですよね」

上手(うま)くいかない(こと)のほうが(おお)いです」


カインは正直(しょうじき)(はな)した。


「でも(たの)しいんだろう?(かお)(わら)っているぞ」


「バレちゃいましたか…はい、(たの)しいです」


アルダもカインも好奇心(こうきしん)探求心(たんきゅうしん)(つよ)くて試行錯誤(しこうさくご)()きな人間(にんげん)である。


 自動盾(じどうたて)盾包囲(たてほうい)魔法(まほう)には共通点(きょうつうてん)があった。


自動盾(じどうたて)汎用性(はんようせい)もあるが…どちらもアーレンの(ため)魔法(まほう)だな』


アルダは共通点(きょうつうてん)気付(きづ)く。


(わたし)はカインに(たす)けられてばかりです」


アーレンが(くち)(ひら)いた。


攻撃(こうげき)(たて)(ふせ)いでもらって、(ふせ)げなかったとしても(よろい)()せてもらっている」

「もし(きず)()っても自動(じどう)全回復(ぜんかいふく)してもらうし、(どく)(なお)してもらう」

(わたし)攻撃(こうげき)(やす)いように足場(あしば)用意(ようい)してもらって、相手(あいて)(うご)きも邪魔(じゃま)してもらう」


アーレンの()っている(こと)間違(まちが)っていない。


(わたし)はカインの足手(あしで)まといになっていた()がします」


アーレンは(うつむ)きながら自分(じぶん)気持(きも)ちを吐露(とろ)した。


「えっ、いや、そんな(こと)は…」


カインは狼狽(うろた)えている。


魔竜(まりゅう)二人(ふたり)(たお)したんだろう?アーレンの(ちから)必要(ひつよう)だったんじゃないのか?」


アルダはアーレンに指摘(してき)した。


「その()になればカイン一人(ひとり)でも魔竜(まりゅう)(たお)せたと(おも)います」

実際(じっさい)、カインが幾千(いくせん)もの(すさ)まじい(かみなり)()とし(つづ)けて魔竜(まりゅう)(うご)けなくしたんです」


アーレンは(かお)()げてアルダに()(かえ)す。カインは(だま)っていられなくなった。


「でも最初(さいしょ)(ぼく)(かみなり)(りゅう)()かなかったんです!」

「アーレンさんが(けん)(うろこ)()()いてくれたから魔竜(まりゅう)(かみなり)()いたんです!」


カインがアーレンに()(かえ)す。


「きっとカインなら(わたし)がいなくても魔法(まほう)想像(そうぞう)(なん)とか出来(でき)たはずだ!」


(さら)にアーレンがカインに()(かえ)した。


(なに)これ…ケンカ?』「まぁ二人(ふたり)とも()()いて…」

「アーレン、魔法使(まほうつか)いは魔物(まもの)攻撃(こうげき)()けて即死(そくし)したりするんだ」


アルダに()われて、アーレンはカインがドーラゴニスに()(つぶ)されそうになった(とき)(こと)(おも)()す。


「だから魔法使(まほうつか)いにとって前衛(ぜんえい)存在(そんざい)(なに)よりありがたい」

前衛(ぜんえい)がいてくれるから安心(あんしん)して魔法(まほう)使(つか)える」

「その意味(いみ)でアーレンがいたからカインは(ちから)発揮(はっき)できたんだ」

「カインにとってアーレンは足手(あしで)まといなんかじゃない」

()かってやってくれ」


アーレンはアルダの言葉(ことば)(だま)って()いた。そしてしばらく(かんが)える。


()かりました…」

「カインに(たす)けられる()わりに(わたし)はカインを(まも)ります」

()(みだ)してすみませんでした」


(ぼく)はアーレンさんを(まも)ります」


(おも)わずアーレンはカインのほうを()た。しかし(なに)()わずに()(なお)す。


「あっ、(ぼく)()(みだ)してすみませんでした」


カインとアーレンはそれぞれ決意(けつい)()べて()()いた。


魔法持(まほうも)ちであるカインの(そば)にいれば劣等感(れっとうかん)(かん)じるのも仕方(しかた)がない』

()をしっかり()つんだ、アーレン』

『カインにとってアーレンの存在(そんざい)大事(だいじ)なのは間違(まちが)いない』


アルダは(こころ)(なか)でアーレンを(はげ)ます。カインがいるので(くち)には()せない。


 カインとアーレンは報告(ほうこく)()えた。長居(ながい)(もう)(わけ)ない。カインとアーレンはアルダの(いえ)(あと)にした。

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