魔法使いとの約束
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
三人はギルドに戻り、報酬を受け取り、山分けする。
「こんなに…」
カインは額の大きさに驚き、呟いた。
「強い魔物だったからな、群れだったし」
カインの呟きにハロルが答える。
「リックさんとハロルさんは凄かったですね」
「俺は大した事してなかったさ、ダメージの大半はリックが与えてた」
「あれなら一人でも倒せてたかもな、群れでなければ」
ハロルは魔物との戦いを振り返った。
『確かにリックさんは強かったけど、ハロルさんも凄かった気がするんだよな』
カインは頭の中で魔物の討伐を思い出している。
「それとカイン、おまえは自己評価が低いが凄いんだぞ!」
ハロルはカインを凄んだ。
「瀕死の状態から自動で全回復する回復魔法なんて聞いた事がない」
「魔力の消費が激しいはずだ」
『魔力の消費…』
『特に何かが減っている感覚ってないんだよな』
ハロルに言われてカインは魔法を使った時の事を思い出す。しかしピンと来ない。
「自動全回復の回復魔法、それを使える魔力量、これは凄い事なんだ」
「その自覚は持ってくれ、じゃないと俺みたいな魔法使いの立場がないぜ」
カインはハロルに励まされたような気がした。実のところ三人に回復魔法を使っていて、まだまだ余裕がある事は言いそびれている。
空気を変えるようにハロルは話を変えた。
「カインは回復魔法以外を使う気はあるか?」
「他の魔法も使えるなら使ってみたいです」
「だよな」
ハロルのように他の魔法も使えればカインにも出来る事が増える。
「なぁ、リック」
「この町に魔導書屋ってあったか?」
「いや、見た事がないからないんじゃないかな」
「そうか…まぁ、魔法使いは少ないから魔導書屋も少ないんだよな」
ハロルはリックに魔導書屋の有無を確認した。
「もう少し金を貯めたら魔導書屋に行かないか?」
「ここから少し離れた町に魔導書屋があるんだ」
ハロルは魔導書屋にカインを誘う。
「はい、行ってみたいです」
カインはハロルと魔導書屋に行く約束をした。
『これで僕も魔法が使える!』
『あっ、回復魔法も魔法か』
カインは魔導書屋に行く事を楽しみにしている。