新たな剣
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
作業の進捗が気になるのでカインとアーレンはこまめに鍛冶場へ顔を出していた。顔を出す時には差し入れを持っていく。幾日かが過ぎた。
「来たな、二人とも」
「剣が完成したぞ」
「本当ですか!」
ランガがアーレンに剣の完成を伝える。完成した剣は細身で飾り気のない剣だった。
「急ぎで作ったから装飾はない」
「飾り気はないがマジカリウム製の刃は過去最高の出来になった」
「柄の部分はノーマリウムにしているから重心が手元にくるようになっている」
ランガとオリビアが新たな剣を説明する。
『飾り気はないかもしれないけど…無駄がなくて完成された美しいデザインだ』
『アーレンさんにピッタリだと思う!』
カインはアーレンを差し置いて新たな剣を気に入った。
ランガは新たな剣をアーレンに差し出す。
「使ってみるのが一番分かり易いだろう」
「はい」
アーレンはランガから新たな剣を受け取った。剣を受け取ってアーレンの表情が変わる。
「あの的で試してみるといい」
ランガは奥にある試用室の的を指した。鍛冶場にも試用室がある。気付くとアーレンは的のところにいた。そして的は細切れになっている。
「どうだ?」
「最高の剣だと思います」
アーレンも新たな剣を気に入った。アーレンの姿を見てランガとオリビアと何よりカインは喜んでいる。
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