鍛冶場と店
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
洞窟からの帰りも魔物はカインとアーレンが倒す。そして三人は町へ戻った。
「マジカリウム鉱石を運ぶのはこっちだ、鍛冶場を店と別にしている」
武器屋に運ぶと思っていたカインとアーレンにランガが指示を出す。鍛冶場は町の外れにあった。ランガの案内で三人はマジカリウム鉱石を鍛冶場に運ぶ。
「俺や姉さんは店にいなければ鍛冶場にいる事が多い」
「そうなんですね」
『武器屋にいない時は鍛冶場にくればランガさんに会えるという事か』
カインとアーレンは鍛冶場の場所を覚えた。
もう日が暮れ始めている。マジカリウム鉱石を鍛冶場に置いて三人は武器屋に戻った。店の前で三人はカリルに出会う。荷物を持ったカリルは買い物帰りのようだった。
「帰って来てたんだね、お帰りなさい」
「ただいま、義兄さん」
カリルから声をかけられランガは答える。
「こんばんは、カリルさん」
「こんばんは」
カインとアーレンの二人ともカリルは挨拶を交わした。ニコリと笑ってカリルは防具屋へと帰っていく。
「姉さんは仕事をしたい人なんだ、鍛冶師の腕も高い」
「姉さんが仕事に集中できるように義兄さんが家の事をしている」
「姉さんが鍛冶の仕事をしている時は義兄さんが防具屋の店番もしている」
「義兄さんがいてこその姉さん、義兄さんには頭が上がらない」
ランガは呟くように義兄への想いを語った。ランガにとってカリルは大切な人の大切な人である。
「二人に関係のない話をしてしまったな」
「明日からアーレンの剣を作り始めよう、剣は姉さんと二人で作る事になる」
「分かりました、お願いします」
アーレンは改めてランガに剣の作製を頼んだ。