採鉱
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
マジカリウム鉱石を採りに行く道の途中でも魔物は現れた。ランガも戦えるが、魔法を想像する為にカインとアーレンの二人で魔物を倒す。
「カインも強いんだな」
二人の戦う姿を見てランガは独り言を呟く。
マジカリウム鉱石の採れる洞窟に着き、三人は中に入った。
「マジカリウムは魔力に反応して発光する」
ランガが洞窟の壁に手を触れると触れた部分が光を放つ。
「魔力に反応か…不思議だなぁ」
不思議な現象に感心してカインも手を触れると洞窟全体が光を放った。
「おいおい、魔力の流し過ぎだ」
「ここに来る間も見ていたがカインの魔力量は相当だな」
ランガは笑っている。
「失礼しました」
カインは魔力を洞窟の壁に流す事を止めた。アーレンが一つの事に気付く。
「ランガさんは魔法使いなんですか?」
「いや、俺と姉さんの父親は戦士だ」
「だが何故か魔法適性がある、姉さんにもだ」
アーレンに聞かれてランガは答えた。ランガ以外にも自分のスキルが分からない者はいるかもしれない。カインとアーレンはランガにゼイルから聞いた話をした。
「なるほど、それなら俺や姉さんにも魔法適性がある事に説明が付く…」
「…自分のスキルに気付いてない奴もいるんだろうな」
ランガはカインとアーレンの話に納得している。
三人は採鉱作業を始めた。
「この洞窟の中は魔物が現れない、安心していいぞ」
ランガがカインとアーレンに伝える。三人は採鉱作業に集中して短時間の間に十分な量のマジカリウム鉱石を手に入れた。
「マジカリウム鉱石は俺や姉さんぐらいしか使わない」
「だから他の奴と採り合いにもならないんだ」
「もしマジカリウム鉱石を見つけたら持ってきてくれ、買い取ってやる」
「分かりました」
カインとアーレンはランガと約束する。
三人はマジカリウム鉱石を持って洞窟を出た。
「もしかして…マジカリウムの加工には魔法を使うんですか?」
「魔法じゃない、魔力を流すんだ」
「魔力を流しながら加工する事でマジカリウムは強度が増す」
カインに聞かれてランガは自分の鍛冶技術を説明する。
「師匠から姉弟で技術を継承させてもらった」
『二人に師匠…そういえば…』
「特殊な技術を持った鍛冶師が昔いて、その方に弟子がいると聞きました」
「ランガさん達の事ですか?」
アーレンがランガに聞く。
「確かな事は言えないが恐らくそうだろうな」
「同じ技術を持った鍛冶師を他に知らない」
ランガとオリビアに出会えて、カインとアーレンは出会いに恵まれた。