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覚悟と闘志
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
眠る竜を前にしてカインとアーレンは立ち尽くしている。竜には傷一つ付けられない。眠っていても竜をどうする事も出来なかった。
「私達は状況を悪化させただけかもしれない」
「僕達は何を間違えたんでしょうか」
カインとアーレンがこなければ冒険者が死んでいくだけだったかもしれない。竜が魔竜になれば被害地が広がり被害者が増える。
「一ヶ月の猶予が出来たと考えよう」
「猶予ですか?」
「魔竜に対抗できるようになるまでの猶予だ」
『もし間に合わなければ私が犠牲になる、カインの前で』
『…すまない、カイン』
アーレンは覚悟を決めた。
『絶対に魔竜を何とかする、誰も傷つけさせない』
『アーレンさんと一緒なら出来ない事なんてない』
カインは闘志を燃やす。