作戦会議
この物語はフィクションです、実在の人物や団体とは関係ありません
「」で囲まれた箇所は口に出した言葉、
『』で囲まれた箇所は心に思った言葉、になります
魔物の討伐へ向かう途中、リックは自分の事をカインとハロルに話す。
「俺には狂戦士化っていうスキルがある」
「狂戦士化は怪我の大小に関わらず戦闘中の痛みがなくなる」
「痛みが消えるんですか?」
カインがリックに質問した。
「痛みを感じてから消えるんじゃなく最初から痛みと認識しなくなる」
「痛みがないから敵に怯まず攻め込んでいける」
「しかし、無理に攻め込んでしまい易いデメリットがある」
「それって大丈夫なのか?」
ハロルはリックに聞く。当然の疑問だった。
「あぁ、昨日も死にかけた」
「だがカインの回復魔法に助けられたんだ」
「カインは瀕死で動けなくなってたところを一瞬で完璧に治してくれた」
「その後も怪我すると直ぐ治してくれた」
リックは昨日の状況を説明する。ただ、正確ではない箇所があるとカインは気付いた。
「瀕死で動けない状態を一瞬で…ハイ・ヒールでも無理だ、凄いな」
ハロルは驚いている。回復魔法を知る魔法使いだからこその驚きだった。
「あの…治れと思ったのは最初の一回だけなんです」
カインは恐る恐る事実を口にする。
「えっ!」
リックとハロルは思わず大きな声を出して驚いた。
「怪我する度に『治れ』と思うのは手間じゃないですか…」
「…だから最初に『その都度で治れ』と思う事にしているんです」
カインは説明する。カインの回復魔法はあまりにも都合の良いチート魔法だった。リックとハロルは唖然としている。
「…と、とにかくカインの回復魔法があれば強い魔物であっても討伐できる」
リックは自分の考えをハロルとカインに伝えた。
「自動全回復の回復魔法…」
ハロルは呟いている。
「…だが、戦士が瀕死でも魔法使いは即死しちまうから俺達は後方支援だぞ」
「分かってる、魔物は俺が引き付けるさ」
「お願いします」
戦いにおける三人の役割が決まった。