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絶対的決定事項

作者: 葉波都湖

これは既に決定事項なので覆せません。


僕は歓喜に震えた。


長い間、計画してきたプランが遂に実現するのだ。


僕は欲張りで欲しい物は全て手に入れなければ気が済まない。


子供の頃からずっと切望してきた完璧な人生。それは快適な生活だったり、幸福な運要素だったり、充実度だったり満足感だったり…


それら全てを繋ぎ合わせて未来をこれからの人生を設計してきた。


将来けして後悔すること無く前向きに生きる為に…


計画は間違いなく完璧な筈だ。


ただ、予測不能の存在として妹の事が気にかかる。


彼女は僕の妹として生まれて来てからというもの、幾度も僕の予測を裏切って来た。


僕の作り上げた完璧な計画を彼女に邪魔される訳にはいかない。


僕が幸福に生きる為には彼女の存在はけしてプラスとは言えない。


彼女は幼い頃から奇想天外な行動を繰り返し、僕や両親の心配を増長させていた。


ある時は、夕方になっても帰宅しないので家族で探し回ったら、公園のジャングルジムに登ってボォっと星を眺めていたり、雨の降る日に河原で泳いでいたり人間離れした行動ばかり取っていた。


彼女いわく「何となく」そんな行動を取ってしまうらしい。


かと言って彼女は知能が低い訳ではなく、学習面ではトップクラスの成績を収めている。


彼女は本来誰よりも頭が良いのだろう。


だからこそ、僕なんかが計画した完璧な計画さえ彼女からしたら大したことが無いのかもしれない。


僕は僕自身を幸せにする為に妹を家から追い出す事にしたんだ。


幸いにも僕達兄妹の幼馴染は妹に惚れている。


幼馴染は小さい頃から正義感が強くすぐに奇行を繰り返す妹の面倒をよく見てくれていた。


誰から見ても2人はお似合いのカップルになるに違いない。


そして、僕は2人を幼馴染から恋人へする為の行動を開始した。


敢えて二人きりにさせてみたり、二人きりで出かけさせたり。


不自然にならないような適切な頻度で。


そんなある日、妹が話があると僕の部屋にやってきた。


「お兄ちゃんの企んでる事はバレてるよ」


「ねぇ、そんなに私と一線を超えたことを後悔してるの?」


「私は後悔してないよ?」


「これは私が生まれた時からの絶対的決定事項だからね。」











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