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6-1
「ママっ!」
電話に向かって叫んだその時、通路の奥から「ぎゃあっ」と悲鳴が聞こえた。
「な、なに?」
美香子と花織が同時に『6』を見た。
「桧垣さん?」
「いや女子の声じゃなかった」
「東山?」
「わからん。それよりおばさん出たの?」
「あ、そうだ。ママ? ママ?」
美香子はスマホに呼びかけた。だがすでに通信が切れている。
慌ててかけ直そうとしたが、
「先にあっちを確かめに行こ」
奥を指さす花織に美香子はうなずき、スマホをポケットに仕舞った。
「だいじょうぶ?」
心配そうに花織が顔を覗き込む。
「何が?」
頬を指さされて美香子は自分が涙を流していることに気づいた。
「やだ、恥ずかし――ごめんね。泣きたいのは花織のほうだよね。わたしに付き合ってこんなことに巻き込まれて――」
「なに言ってんのよ――きっとうちが変な話をしたからだよ――そのせいで美香子を巻き込んで――うっううー」
見る見る花織の目に涙が浮かぶ。
「やだっ、なに泣いてんのよ。花織らしくない――うわあぁん」
「うわーん」
二人手を取り合ってしばらく泣いた後、
「よしっ、もう泣くのは終わり。ぜぇっったい、ここから抜け出すんだからねっ」
美香子は花織とうなずき合った。
「さあ、早く6番ホームに確かめに行こっ」




