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14 予想


 これからもよろしくねぇ、とのことで、


 僕たちの『Gふなずし』の連絡先に、


 ミルルシュモさんも登録してくれました。



 ってか、やっぱりあっさり登録されちゃいましたよ。


 精霊さんの技の前には、さすがのアリシエラさんテクノロジーもお手上げなのです。



 まあ、僕が知る限りでは、技を悪用するような悪い精霊さんはいないってことが、何よりなのです。


 えーと、悪用じゃないけど、技をアレして問題行動に突っ走っちゃう精霊さんなら知ってます。


 誰とは言いませんが。




「お噂通りの殿方だったわねぇ」


 うっ、また精霊さん界隈の噂ですか。


 どうせアレなんでしょ。


"精霊乙女ジゴロ"とか"愛の魔狩人"とか何とか。



「確信犯だったのねぇ」



 精霊界、本当に恐るべし……




 ミルルシュモさんにご挨拶して帰ろうとしたら、


 何やらおみやげを手渡されちゃいました。


 えーと、持ちやすい大きさの宝箱、です。



「せっかくさっきの冒険で宝箱を引き当てたのだから、おひとつおみやげ」

「おうちで開けてみてのお楽しみってことで、ね」


 ありがとうございます。


 えーと、この宝箱には、設定ミスとかは……



「楽しい人生には、サプライズも必要なのよねぇ」


 どっかで聞いたセリフですね、それ。



「それじゃ、また遊びに来てねぇ」


 はい、ミルルシュモさんもお元気で。



 ---



 シュレディーケさんとふたり、


 エルサニア王都目指して、街道をてくてくと。



 いろいろありましたが、ふたりきりで冒険をやり遂げることができたうれしさは、


 なんと言いますか、感無量……



「フォリスさんと冒険すると、こういう事ばかりが起きるのだな」


 えーと、たぶんこれって、あの時シュレディーケさんと出会ってからなんですよ。


 それまでの僕って、イベントごとなんて全く何ごとも無しの、平凡狩人人生でしたから。



「全ての人の人生は、それ自体が冒険そのものである、だな」


 まあ、ちょっとくらいのトラブルなら、乗り越えた時のご褒美次第で許せちゃいますけどね。



「では、帰ったら旦那様にご褒美をおねだりするとしよう」


 逆ですって、奥さまからたっぷりもらわないと。



「むう、夫婦間で意見が食い違った時は、しこりを残さぬよう、しっかりと決着をつけんと、な」


 望むところですとも。


 それで、勝負方法は?



「この宝箱の中身を当てっこしようではないか」


 なるほど、それなら公平な勝負ができそうですね。


 ではまずは、シュレディーケさんから、どうぞ。



「通常、ダンジョンの宝箱はマジックバッグとは違って、大きさ以上のモノが入っていることは無い」

「つまりは、この宝箱に収まるくらいのモノ」

「宝箱の形状的に、鎧のような大物や武器のような長物では無い」

「ベルちゃんのような生き物である確率は、経験上有り得ないほど低い」

「ゆえに私は、ローブのような衣装系のアイテムだと予想する」


 シュレディーケさんらしい、手堅い推理ですね。



 では、僕の予想を。


 僕の経験上、精霊さんが絡むと、普通では有り得ないようなことが起きるんです。


 さっきのダンジョンみたいにね。



 つまり、この宝箱の中にも、これまでの常識が通用しないナニカが入っている可能性がめっちゃ高いってことです。


 正直、バカでかい生き物が飛び出してきたって不思議じゃないって思います。



 重要なのは、ミルルシュモさんが宝箱に関与できるってこと。


 そして精霊さんたちは、自分たちが楽しむためなら手間ひま惜しまないってこと。


 ゆえに、僕の予想は、僕たちがめっちゃびっくりするけど危険じゃないナニカ。



 中身はズバリ、


 ミルルシュモさんご本人が、


『サプラーイズ』とか言って飛び出してくる、ですっ。



『ひどーい』



 えーと、宝箱の中からなんか聞こえましたけど、


 どうします、シュレディーケさん?



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