12/17
12 管理
扉を開けたら、小さな部屋。
壁全面が、本でいっぱい。
中央にある小さな机で、
お姉さんが何やら熱心に調べ物。
顔を上げたお姉さんと目が合ったので、
初めましてのご挨拶。
「こんにちは」
はい、こんにちは。
「迷子?」
えーと、そんな感じです。
---
ここは、迷宮管理室。
この世界にあるたくさんのダンジョンの、
管理人さんのお部屋。
お姉さんは、ミルルシュモさん。
代々続く迷宮管理人の、
当代の担当者。
ご職業以外は、年齢も種族も分かりませんが、
落ち着いた雰囲気の、
とても綺麗なお姉さんです。
「……」
えーと、シュレディーケさん、
緊張してるのは分かりますが、
あまり圧をかけないでほしいのです、僕に……
---
自己紹介も済ませましたので、
詳しいお話しはお茶でも一服しながらと、
僕の『収納』から出そうとしたのですが、
この部屋では飲食禁止だそうです。
ミルルシュモさんが『転送』で外へ連れて行ってくれるとのことですので、
出来れば僕たちが潜っていたダンジョンの入り口まで、とお願いして、
手繋ぎして、みんなで『転送』




