11 信頼
今、分かることは、ふたりで目視確認できる情報のみ。
あまり広くない、何も無い部屋。
薄ぼんやり光っている天井、
照らされているのは、
さっきまでの天然洞窟ダンジョン内と違って、
壁・床・天井、材質不明の、
人工的な小部屋の中。
窓のない扉が、ひとつ。
ドアノブあり、
鍵穴無し。
念のため、扉に"罠々チェッカー"してみたけど、
表示では、罠は無し。
もちろん、何か問題があっても、罠とは認識されない可能性あり。
「扉以外は手詰まり、か」
『Gふなずし』で緊急応援要請したシュレディーケさん、
応答無しに、真剣な表情。
ベテラン冒険者のシュレディーケさんにこんな表情をさせちゃう状況。
僕に、できることは……
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正直、不思議と不安は無いです。
どこにいたって、どんな状況だって、
シュレディーケさんが隣にいてくれたら、それだけでいいやっていう、
なんだろう、安心感?
甘え過ぎって言われるかもしれませんが、
まあ、それも僕ってことで。
「こんな状況だが、フォリスさんが隣にいると、なぜか妙な安心感がある」
同じ気持ちでいてくれてうれしいです。
おっと、僕の方は"妙な"だなんて思っていませんけどね。
コツリ
むふ、ご褒美、いただいちゃいましたよ。
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ふたりで相談して、先に進むことにしました。
今、できることをやってみて、
何か起きたら、ふたりで全力で対処しよう、です。
「行こうか」
はいっ。
慎重に、扉を開けると……




