黄色の人~2(店主の実話続編)
『あれから来た?』
『誰?』
『黄色の人』
『昨日来た。二ヶ月ぶりに。』
『昨日ぅ!』
『平日の昼間っから、足ひきずって来た。』
『どうかしたの?』
『今から説明する。』
『やっぱ、あれ? 灰色の工事現場のつなぎ?』
『正解。ついでに言うとポシェットに懐中電灯。水晶のコーナーに直行。』
『引きずりながら?』
『そう。』
『いいお客さんじゃないか。客の入らん平日の昼間に足引きずって来てくれるなんて。』
『そのとーり。』
『なんか買った?』
『今度はこっちから話しかけてやった。』
『なんて?』
『今日はお休みですか?って。』
『ほう、なんて?』
『そしたら、急に咳し出して。』
『咳?』
『そう、咳。 ちょっと風邪ひいちゃってと。』
『会社休んだ?』
『別にさっ、オレはあんたの会社の人間じゃないんだからさっ、急に咳出して言い訳されても困んだけどさっ。』
『仕事休んで現場のつなぎ?』
『そう。で更に話しかけてやった。』
『なんて?』
『しばらく、お見えになりませんでしたね。って。』
『そしたらさっ、工事現場で穴掘ってたら、自分の掘ってた穴に落ちたんだって。』
『どうやって自分の穴に落ちんだよ。ハッハッ』
『そう、けどわかった。やっぱり奴は工事現場で働いてた。』
『で?』
『牛若丸の泣き所打って来れなかったと。』
『弁慶なっ。』
『別にさっ、ここ店だぜ。店来れなかった言い訳いらない。』
『確かになっ。』
『しかもだよ。レジの前まで足引きずって来て、ズボンの裾捲った。』
『はっ?』
『包帯してた。』
『おっ、まさか黄色の包帯?』
『いや、白。』
『なんだよ、、』
『けどグルグル巻きの包帯にマジックで書いてあった。』
『なにが?』
『よしき』
『自己紹介ぃ?』
『たぶんな、、、』
[黄色の人と合わせて読まれますと更に楽しまれるかと。]作者より。




