1話 久しぶりの早退
学校に着いた。
俺の席は窓側の一番後ろの席だ。
その所為もあってか、俺は気配が薄い。
いや、薄くしている。
バレちゃ大変だからな。
この学校では校長と保健の先生が俺の事情を知っている。
なので、校長の計らいにより俺は席を目立たない位置にしてもらっている。
そして、なぜ保健の先生が知っているのかというと。
ピピッピピッピッピピ
携帯がなった。
ちょうどいい。
俺は担任の先生に頭が痛いと言って保健室へ向かう。
保健室には何回か行っても病弱で通っているので不思議ではない。
携帯がなったのは、マネージャーさんに呼ばれたからだ。
俺は、早退という形で毎度途中まで保健の先生に送られる。
有難や〜。
こうして、お仕事に行けるのだ。
俺の芸名は知っての通りAZUMAだが俺はあるチームに入っている。
名前は『A』メンバーは、
Vo./Gt.の俺AZUMA。Ba.のALTO。Key.のAKARI。Dr.のALICEの4人だ。
メンバーの名前がAから始まるのでチーム名がA《アルファ》となった。
本名は俺、三木東と、柊亜瑠斗、木風あかり、桜峰有栖。それぞれバレないように苗字で呼ぶかあだ名かにしている。俺はみきちゃんと言われていてあるとはひぃ、あかりはきぃか、有栖はさくらと言われる。
その内のさくらは俺と同じ鞠川高校にいる。
なので、今もさくらは隣に座っている。
きぃかとひぃは隣の若葉高校に通っている。
俺たちは現場で待ち合わせて行くことが多い。
仕事はCDの録音、テレビの出演、雑誌の表紙や質問などがほとんどで、たまに練習をする。
今日は夜にある生放送音楽番組、『ミュージックステージ』に向けての練習だ。
生放送には初めて出るので今日は久しぶりに学校を早退してきた。
いつもは美菜と一緒に帰るため行かないがもう関係ない。
俺の歌はもっと上手くなるだろう。
おっと、もうすぐ着くようだ。