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夢舞台『アルバム』

─.私は帰路の駅で"写真"を三枚拾う。




黒髪で赤いメッシュの美人の写真。


茶髪の少し軽めの男性の写真。


そして、黒髪の爽やかな男性の写真。




通常ならば交番に届けるが、何故か"知っている"気がして持ち帰る。


……勘違いであれ、と思いながら。




帰宅すると、私は真っ直ぐ部屋に向かう。自分の部屋、ではない……気がする。


何だかおかしい。"アリス"が近くにいないと、どちらかわからなくなる。……ううん、感覚は現実の私そのものだ。


無意識にアルバムに手を伸ばす。一ページ、一ページ、捲っていく。心なしか、鼓動が早くなる。そして……とあるページの右上に、矧がされた後があった。丁度、"三枚分"……。その下と左のページには、三人で笑い会う写真が何枚も張られていた……。更には、女性の腕に抱かれた"銀色の髪で赤メッシュの小さな女の子"が……。




「アリス……? 」




自宅のはずなのに、何故アリスの写真の張られたアルバムがあるのか。




──前にも感じた感覚。私の意識が一瞬、途切れた。




◇◆◇◆◇◆◇◆




──視界の片隅に"黒い影"がちらつき、はっとする。浮遊感を感じた。




見下ろすと、写真の女性と男性たちが血相を変えて走っていた。


……私は"見てはならない"ものを見てしまった。彼らの背後に。




"長い黒髪の女性"が、まるで怨霊のような形相で三人に追い縋っている。


間一髪、三人は交番に入っていく。中にいた警官は三人。必死に説明している姿が見えた。


しかし………警官が一人、壁に叩きつけられて、血を吐く。見えない何か?


……違った。女性と男性たちの背後から、何か……太い紐のような……。そうこうしている間に二人目、三人目の警官が襲撃に会う。


……見たくない。でも、確認しなくては。




"長い黒髪の女性"……だったものが、真っ暗な瞳をして、腰から髪が……トゲのような蔦に変わっていた。それを自在に操り、警官を叩いていく。真っ赤な血が飛沫をあげていた。酷い惨状に何も言えない。





……女性と男性たちは、警官に気を取られてる間に、裏手から何とか逃げ出していた。




警告音が頭に鳴り響く。




──『戻れ』

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