表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/16

夢アリス、華麗に幕を開ける

ひめみやさんの不思議なアリスシリーズ

性癖さん探しにこちらに持ってきました

ホーム受けしなかった。゜(´∩ω∩`)゜。

また闇系ですが、メルヒェンものです

──皆様、ご機嫌麗しゅう。


わたくし、『夢アリス』を給わりまして、皆様を華麗に演出致します。




『夢アリス』は謂わば、監修のようなもの。


今までにあなた方、『夢見人』様方を一番輝かせてきた『夢住人』に与えられる称号。




皆様は『夢』をご覧になられますか?


大概の方が見ても覚えていらっしゃらないでしょう。


しかしそれでも、心に残るワンシーンがございませんでしたか?


そう、それを演出し続けた『夢住人』がわたくし、『夢アリス』なのです。




あなた方は夢を見、あなたの夢の主人公を演ずる『夢見人』。


わたくしたち『夢住人』は、そんなあなたの夢を彩る配役なのです。


わたくしたちには名前はありません。


あなたの『夢舞台』でのみ、役名を与えられ、演ずることを許されるのです。




……この夢世界には『夢守人』もおります。あなたの夢舞台を警護するものたち。


しかしながら彼らは『咎人』、罪人なのです。


『夢住人』としての役割を放棄した重罪人。だから、彼らには主役であるあなたと関わりある役には二度とつけません。


あなたの『隣』に立てる大役を与えられたのに、なんという大罪を侵したことでしょう。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇




……いえ、これは建前。


周期的に選ばれる、もっとも『夢見人』様を輝かせてきた『夢住人』の役割。


本当はわたくし……『夢アリス』になんてなりたくなかった。


でも……『あの人』を好きになったと知られたらわたくしも『夢守人』になり、二度と『あの人』の『隣』に立てなくなる。


それだけは嫌だったの……。報われないとわかってはいても、わたくしを見ていないとわかってはいても……。




だから……夢の中の『彼の想い人』を演じ続けるために、自由の利く『夢アリス』を受け入れた。


辛くても、苦しくても、彼の『隣』を演じ続けられるなら……。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇





わたくしは偶然、彼の『想い人』に想いを寄せ、『夢守人』になった『夢住人』を知った。


最初はただの配役として『隣』役、『恋人』役を演じていた彼。




『夢住人』、『夢守人』どちらも『人間』に限りなく近い、『アンドロイド型ナノマシン』。夢の住人。


『隣』役はもっとも人間に近い演技を求められる。だから……『夢見人』様に本気で『恋』をしてしまう可能性が高い。それは『夢見人』様が『隣』役を無意識に選ぶことに準ずる。……『夢見人』様が、『もっとも想い描く理想の異性』。それが『隣』役、『恋人』役だから。




引き摺られてしまうのよ。……仕方ないことよ。わたくしが彼を想ってしまったのだから。




……好機、だと思ったわ。


彼を救い、彼女と縁が出来れば、わたくしにも可能性が出てくる。悪足掻きだっていい。


彼女がどんな人か知れば、もっと『あの人』に近づけるはず……。だって、彼女の中に『彼』がいたのを知ってしまったんだもの。






━━わたくしは掛けてみることにしたの。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ