第一話 戦いの火蓋
お久し振りです。続きをどうしようか迷っているうちにかなりの時間がたっていました(笑)。ひまつぶしに読んでくださると嬉しい限りです。(レイアウトを変更したため魔王編と王国騎士編で章分けしました!)
「しかし、ここでの任務もこれで終わりか。たいしたことはなかったな。」
「さ、早く終わらせて祝杯といこうぜ!!」
「そうだな。早く狩ったほうがおごりってなわけで。よし、ちょっくら片付けてくらぁ!!」
のん気に戦場を駆ける騎士達。
このガナンでの戦局は他の大陸同様に俺達人類が圧倒的に優勢だった。
――奴が現れるまでは。
おいそれとリザードマンやオークをものともせずに突き進む彼らの見上げた先に立っていたのは、
どう見ても人間にしか見えない女だった。しかも少女だ。
「おい、奴ら女を人質に取っているぞ!」
「んだと!?あいつらどこまでも汚ぇ連中だ!!いま掃除してやるぜ!」
騎士たちはみないっせいに鼓舞し、更に魔族の軍勢へと押し寄せる。
さて、故郷の南方大陸エンシェからはるばるここに来た俺、アルトナ・ラヴェルもまた王国騎士の一人だ。もうそろそろ30になるかならないかくらいのいい年なんだが、この仕事は参っちゃってねぇ。いかんせん魔族の相手はたいしたことはないが移動が疲れる。
「おいお前ら、あんまり出すぎんなよ!陣形は崩さないようにしろよな!」
「あいよ!ここの魔物は俺達が倒しとくから隊長は向こう側の敵は任せたぜ!」
士官学校を主席で卒業してから毎日毎日剣を振る事数十年。いつのまにか俺は王国騎士団第二大隊長などという肩書きをもらっちまっていた。ま、階級に興味はないが。
「さて、こっちはあらかた片付いた。正面から行くぞ!!」
散らばる兵士を集め、突撃の号令をした、その時だった。
人質に見えた少女はなにやら大きく息を吸って
「マグニチュード8は1増えるとエネルギーが32倍になる!!!!」
突如何かを叫んだ。助けを求める叫び声か?
と、その時。
ガガガガ....!!
地面が大きく揺れ、崩れ落ちた!
「なんだこれは!あの女がやったのか!?」
「落ちる!」
何が起きたか一瞬わからなくなったが
「退却!退却ー!!」
気づいたら無我夢中で叫んでいた。急いで退却せねば!
町の中心に巨大な穴が開くほどに大きな地震が俺達を襲った。
「チクショウ、こんな魔物がいるなんて聞いてないぞ!」
「どんどん地割れが広がっていく!!」
「走れ!絶対に止まるな!!!」
....この日を境に、人類は魔王軍となった魔族の軍勢との全面戦争が始まるのだった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。今回はタイトルにあった通り王国騎士の登場です。感想などがありましたら大募集しております。