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365日プラス7日に奇跡が起きる。

作者: 七瀬

僕は何をしても普通で、目立つ訳でもなく地味でもなくどっちでもない。

僕は中途ハンパな男だ!


学生時代も成績がズバ抜けていい訳でもないめちゃめちゃ悪いと言う訳でもない!

常に普通なのである。


僕は常に周りにいる人たちに合して生きてきた。

笑いたくもないのに、皆が笑ってるから一緒になって笑う。

何もかもそうやって人に合わせて生きてきたんだ。

ある時から自分の意思を捨てた。



それは僕の子供の頃まで遡る、僕の両親は僕が10歳の時に 『離婚』した。

父親は仕事が忙しいと言い殆ど家に帰ってこなくなった。

母親はストレスからか? 家で毎日お酒を飲むようになる。

たまに父親が家に帰ってくると......? 家の中は荒れ放題でそれを見た

父親が母親に冷静に問い詰める。


父親の性格は理論的で正しい! 母親は現実逃避型の人だ!

もともと二人が合うわけがない。 正論ばかりを押し付けて母親に

逃げ道を与えない、追い詰められた母親が酒浸りになるのも仕方がない

のかもしれない...だけど? 僕の事忘れてるでしょ? 

こんな人、僕の母親じゃない!!!


『君は、この家の中で毎日何をやっているんだ~! 家の事を何もしないで!

毎日お酒ばかり飲んで~! 子供の事はどうしてるんだ!?』

『あなたが家に帰って来ないからでしょ? 何故、私ばかり攻められなくては

いけなのよ~!!』

『君な? もう、いいよ~ 俺は直ぐにこの家から出ていくから。』

『早く~ 出て行ってよ~ もう帰ってこないで!』

『あぁ~ わかったよ! 直ぐに出ていく。』


父親は、自分の荷物を取りに来ただけだった。寝室にいきカバンに服や大事な

モノを簡単に詰めて出ていった。


【ガチャン】 と玄関のドアが閉まる。


あの時の事はよく憶えている! 父親は僕の顔も見ないで出ていった。

まだ幼い僕の事が可愛くないのか? ...ふとそんな風に思った。


だから、僕は母親に何か自分から言わないようにしていた。

あの時、僕が頼れるのは【母親】だけだったからだ!

酒浸りのこの母親だけが、僕の運命を握っていた。

毎日、コンビニ弁当だったりおにぎりやパンだったりと...。

母親は僕の為にご飯も作らなくなった。


僕は母親と同じ家に居ながらにして捨てられた。

僕は空気みたいな存在で居ることにした。


たまに、母親が僕と目が合うと...? 必ずといっていいほどこの言葉を

僕に言う。


『何見てんのさ~ 私はちゃんと家族の為に頑張ってきたんだよ~

お前の事もちゃんと育てているじゃないか?』

『お母さん、ごめんなさい...。』




母親は、完全にアル中になりお酒がないと生きていけない体になった。

そして僕は17歳の時に、母親を病院に入れてこの家を出た。

僕は僕のこれからの人生を歩みたかったからだ!


『でも、現実は厳しい。』

何時までも、親の事は付きまとってくる。


そんな時に、365日1年が終わろうとしていた夜。

僕は外にいた、そして大きな光に包まれた。




僕がゆっくり目を開けると......? 朝になっていた。

僕は意味も分からず歩いていると......? お店のテレビを見てビックリ。

なんと? 2017年12月31+1日と書いてあった。


僕はそれを見て 『えぇ!?』 となった。

そこから、僕は1人で住んでいるオンボロアパートに帰った。

どうなっているんだろう? なんなんだ!?


僕はもう1度、外に出て散歩し始めた。

『今、何が起きているのか? 何故? 2017年12月31+1日って

なんなんだ! ここは僕が生きていた世界なのか?』



そんな事を考えていると.....? 1人の綺麗な女性と出逢う。

その女性が、僕に近づいてきて僕にこう言った。


『私の名前は真帆、私もあなたと一緒よ~いつの間にかココにいるの?

貴方の名前は...?』

『僕の名前はナトだよ。でもこれって? どうなっているんだろう??』

『本来ない日にちが追加されているドコまで続いているのかもわからないし。』

『調べてみる価値はあるみたいだねぇ~! でも僕だけじゃなくて良かった。』

『私も今、同じ事考えていたわ~ 私たち気が合うわね!』

『そうみたいだねぇ~ じゃ~調べていこう!』

『先ずは、役所とか? 図書館がいいかな?』

『二手に分かれて調べましょう!』

『うん』

『私のケイタイ番号、あなたに教えておくわ~ 終わったらここでまた会いま

しょう。いいわね!』

『うん』



お互いにいろいろ調べたけど...? ここでの時間はここでしか流れていない

ようだった。どんどん時間だけが過ぎていく。何のために私たち二人だけが

ここに飛ばされてきたのか......? 



僕たちは僕のオンボロアパートで一緒に住む事になった。6畳半の狭い部屋に

二人で生活している。いつの間にか...? あれから3日経っていた。


何の手掛かりも見つけ出す事が出来ず、時間だけが過ぎてく。

目的はなんなのだろう?


本来ない時間を二人は過ごしている。


でも、僕は少し嬉しかった。 母親以外の女性と一緒に住んでいるし。

何とも言えない嬉しい気持ちがこみあげてくる。


そんなこんなで何にも成果のないまま。7日過ぎた日。

ちょうど1週間経った。2017年12月31+7日。



僕たちはお互いの大切さを感じていた。

僕に足りないところは真帆が補ってくれる。

真帆が足りないところは僕が補う。

いつの間にかそんな関係になっていた。

僕も真帆も幸せだった。




そして7日目の夜、僕は真帆に告白した。


『僕が子供の頃は家族の中に居て幸せに思ったことは1度もない! 

でも真帆とだったら幸せな家庭が築けると思う。だから...僕と結婚

を前提に付き合ってほしい!』

『私も、子供の頃幸せだと1度も感じた事がなくて、家族の中で肩身の狭い

思いでずっと生きてきたから、凄くね? ナトの話が自然と受け入れられた。

私でよければ付き合って~!』



その後、僕たちは抱きしめ合ってお互いの目を合わせてキスをした。


そうすると......? またあの時の大きな光に包まれた。


僕たちは目をゆっくり開けると......? また朝になっていた。

今日の日付を見ようと? コンビニで新聞を買って見ると......?


2017年1月8日になっていた。




今になったら、そうかなと思える答えがある。

僕たち二人に共通している事は......?


幼少期に親に大切にされなかった事、途轍もなく子供の時に寂しい思い

をして生きてきた事や大人になったら...? 絶対に幸せな家族を築きたい

と強く思っていた事。


だから僕は真帆とあの 『別の世界』で出逢えたのかもしれないと

今、強く感じている。 






最後までお読みいただきありがとうございました。

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