希望の職種に就けないから人形を作る
森に住み着いてから、一週間は過ぎただろうか…
『魔法をポンポン使って、魔力切れをよく起こさないものだ』と心配された。
そもそも、魔法は使えないが無駄に魔力は持っているのが現状である
魔力だけが多いのは、恐らく遺伝だろうが…
人形の体のパーツを分割し中身をくり出した。
その分軽くなるが、いささか強度は落ちる…
そうして出来上がったパーツを組み立て、身体を造り出した。
さて、ヘッドは…どうしようか?
そもそも嵌め込み式の眼球パーツもない為、描くしかないのだが…
鼻と口の部分は削り出しの作業のうちに、何とかなっているのだが…人形にとって、目は命ともいえる。
タレ目で可愛い…が、私のヒロインちゃんはややつり目…いや、猫目がちだ
可愛いヒロインちゃんには八重歯が似合うのだ。
彫刻刀めいた刃物で唇を立体的にする。
活力に溢れる彼女にはオレンジ系統の色が似合う。
いや、待って…画材…この世界に有った?
木工に使える画材…
球体関節人形って発泡スチロールにラップ巻いて、紙粘土で形造るからなぁ…
乾いたら切断して、発泡スチロールを取り除く
切断面は紙粘土で接着し直す
しかも胡粉とか珍しいのでベース塗り重ねていくのだが…そもそも、一体造るのに日数掛かりすぎて、疲れるの出来るかと投げ出したんだ。
以来、通販で素体とヘッド、ウィッグ…場合によっては、ドールアイを買うようになったものだ。
香…いや、カリアはホゥと一息吐いた。