部活勧誘
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翌日、一緒に行きたいと言って俺の腰をホールドして離さなかった姉さんに「帰りは一緒でもいいから!」と言ったら「ぐぬぬぬ」と言いながらも離してくれた。それから、直人と合流して学校に行ったのだが...。
「凄いな...」
正門から校舎までの間の距離に看板を持った人や、部活のユニフォームを着ているような人までいた。つまり、部活勧誘という事である。俺と直人は気にせずに足を踏み入れたのだが、ある意味地獄の始まりだった。
「バスケ部です。バスケ部入りませんか?」
中に入るなり、声をかけてきたのはバスケのユニフォームを着ている一つ上の先輩だと思う人物。
「あ、いえ。結構です」
「俺も」
「ん?あぁ、そうかい」
俺が断ると、次の一年を探しにいった。
その姿を見送り先に少し進むと
「手芸部です。興味ありませんか?」
「あ、興味ないんで」
「俺も」
「そうですか、残念です」
そう言って手芸部の先輩も次の一年探しに去っていく。こ、これは...
「なぁ、直人。これはヤバくないか?」
「そうだな、色々と体力削られそうだ。なら?」
「あ、ちょっとそこのふた「「逃げるが勝ち!」」り!って、ちょっと!」
また勧誘らし者が来たためダッシュしたが、なんだ今のおネェは!絶対関わったらダメな部活だろ!
俺たちは教室に走って向かうのだった。
「はぁー!疲れたー」
教室に入って安心したためか無駄に疲れた気がするぞ。そんな事を考えながら机にダラーンとだらしなくしていると二人の生徒がこっちに歩いて来た。なんだろうか、嫌な予感がする。
「おい、東雲!お前なに部入るか決めたのか?」
「ちょっと!なんでそんな喧嘩腰みたいな口調なの!」
えーと、なんか強気で来てるような奴が武田 剛士だったっけ。それで一緒に居るのが杉下 森彦だったっけ。今のこの2人に関わったら凄く面倒くさそうなんだけど。部の勧誘か?それならもう決まってるしな。
「決めてないよ。てか、入る気無いしな」
「そうか!ならテニス部に....はぁ?入る気がない?」
「あぁ」
そう言うと武田は下を向き肩を震わせ始めた。これって、もしかして...
「なんで俺の気持ちをそう簡単に踏みにじる!あの時だって!」
「はぁ?」
多分、今の俺は表面上困った顔をしてるんだろうが、訳の分からない事を言われて頭が混乱しているのだが...
「2年前の夏の大会、1試合目から俺とお前が当たる予定だった!一年の時から試合しても負け越してたから次こそはと意気込んだ大会だった!けどお前は来なかった!それからお前は試合に出なくなった!」
なるほどな。そう言えば武田 剛士って名前見たことあると思ったらそこでか。まぁ、結論的に言うと
「だが、高校に入ったら俺が居て、テニス部に入るかと思ったら部に入らないと言われたと」
「そうだ!」
なんつうか、凄い我が儘というか、こっちの都合ガン無視だな。どんなけ俺に対する執念あるんだよ。まぁ、どれほど言われても
「はぁ、何を言おうが入らんぞ」
「てっめ「ちょっと待って武田」あ?桐島か」
頭に血が上った武田が近付こうとした時、桐島さんと話していたと思われる女子2人が武田を止めた。まぁ、実際は桐島さんの一声だったのだが
「それ以上はやりすぎよ?」
「........チッ!」
「あ、ちょっと待ってよ剛士!」
桐島さんに注意され、武田は舌打ちをして教室から出て行った。その後を杉下が追って行った。てか、杉下も居たな〜。ちょいと空気と同化してたんじゃないかってレベルで忘れてた。
「大丈夫だった?和樹くん?」
「ん?あぁ、平気平気」
「でも右肘抑えてるけど...」
「へぇ?」
そう言われて見てみると、無意識の内に抑えていたみたいだな。無駄に心配されてしまったかな?
肘から手を離してそんな事を考えていると、桐島さんと話していた内の1人の女子が俺の顔と心配そうにしてる桐島さんの顔を見てニヤっとする。
「ちょっと、千沙都!耳貸して!」
「どうしたの実咲?まぁ、いいけど」
「..............」
「なぁ!そ、そんな訳ないでしょ!」
「本当かな〜」
何か耳打ちされてから桐島さんの様子が変だな。なんか友達もニヤニヤしてるし
「大丈夫か?」
「え、ええ問題ないよ!うん」
若干挙動不審になってる桐島さんを見て俺は首を傾げるのだった。
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